シリーズ「給与計算のツボ」第5回 〜割増賃金の基礎〜
シリーズ「給与計算のツボ」は、スタートアップ経営者の方や、給与担当を始めたばかりの初心者向けに、給与計算にまつわるあれこれを、不定期にお伝えするものです。
給与計算のカラクリの基本的な仕組みを知っておくことで、従業員や社長からの質問に、自信を持って答えられるようになることを目指します。
リクエストがあればお問い合わせ(→こちら)にお書き下さい。
今回から何回かに分けて割増賃金について書きたいと思います。
割増賃金はいわゆる残業代や休日出勤手当の事で、給与計算のツボ中のツボともいえるとても重要な項目ですので、少しじっくりと取り組んでみたいと思います。
残業代などを支払う時に、残業や休日出勤をした時間分だけ割増賃金を支払うと思いますが、何に対して時間分だけ支払うのか、この基礎となる賃金のことを割増賃金の基礎と言います。
割増賃金の基礎は、ざっくり言うと1時間あたりの賃金です。しかし例えば月給制の場合、「基本給を月所定労働時間で割ったもの」では正確ではありません。基本給の他に諸手当も含める必要があります。
但し以下の7項目については除外することが認められています。
- 家族⼿当
- 通勤⼿当
- 別居⼿当
- ⼦⼥教育⼿当
- 住宅⼿当
- 臨時に⽀払われた賃⾦
- 1か⽉を超える期間ごとに⽀払われる賃金
これらは限定列挙といって例示ではないので、これ以外の諸手当は全て割増賃金の基礎に参入する必要があります。
注意点としては、名称に関わらず上記と内容が実質的に同じであれば同様に扱う(例:家族手当→扶養手当)こと、上記の手当であっても、例えば全従業員一律に支払われるものなどは除外できない場合があるという点です。
詳しくはこちらでご確認下さい。
時給や日給の場合で月ごとに支払われる手当(上記除外するもの以外)がある場合も、同様に手当の金額を月所定労働時間で割った金額を、時給または、日給を1日あたり所定労働時間で割った金額に足して、割増賃金の基礎とする必要があります。
忘れがちなのが、手当額の変更時。基本給が改定されていなくても手当が改定されたときには、割増賃金の基礎が変更となる場合がありますので、注意しましょう。
- 残業代や休日出勤手当を計算するために、割増賃金の基礎を算出する必要がある
- 割増賃金の基礎は基本給のみでなく、諸手当も含める必要がある
- 除外しても良い手当は限定列挙、名称に関わらず実質で決まる
- 日給や時給の場合にも手当分を追加するのを忘れない
- 手当額の変更時も割増賃金の基礎が変更になる場合があるので注意を!
※内容を一部加筆致しました(8/24)
それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!
厚生労働省
「企業向け障害者テレワーク推進セミナー」を開催します(8/15)
厚生労働省は、9月25日(水)に「企業向け障害者テレワーク推進セミナー」を開催します。
テレワークは、障害者の多様な働き方のひとつであり、自宅でも働くことができる機会として大きな可能性があるとともに、企業にとっても、全国から優秀な人材を採用することができるというメリットがあります。当セミナーでは、障害者雇用におけるテレワークの導入方法の具体的な解説に加え、実際に導入している企業の担当者による事例紹介を行います。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42198.html
愛知県
中高年齢者を対象とした 「就職支援の出張相談会」を実施します!(8/16)
少子高齢化により人口が減少する中で、社会経済を維持していくためには、働く意欲のある方が年齢に関わりなく活躍できる生涯現役社会を目指すことが重要です。
そこで愛知県では、今年度から新たに、県内市町村に相談員を派遣し、就職に関する様々な悩みをお持ちの中高年齢者を対象とした個別相談を実施します。
https://www.pref.aichi.jp/press-release/chukonensoudan2024.html
公正な採用選考啓発キャンペーンを実施します(8/16)
愛知県及び愛知労働局では、9月を「公正な採用選考啓発強化月間」と定め、キャンペーンを実施することにより、人権を尊重した公正な採用選考の実施を広く県民に啓発します。
https://www.pref.aichi.jp/press-release/kouseisaiyo-campaign2024.html
ITmedia ビジネスオンライン
「有休」を使って夏休みを強制取得……会社の対応は問題ないの?(8/11)
年末年始休暇(正月休み)と同じく従業員の夏期休暇(夏休み)を設定している企業は多いと思います。中には企業があらかじめ日程を設定した上で、年次有給休暇を使って夏休みを取らせる企業もありますが、その扱いは問題ないのでしょうか?
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2408/11/news021.html
消えゆくテレワーク 本当にそれでいいの?【働き方のヒット記事3選】(8/15)
ワークスタイル研究家、川上敬太郎氏による連載「働き方の見取り図」から、2024年の上半期に、特に読まれたヒット記事3選を紹介します。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2408/15/news076.html
退職者の50%超が「本当の退職理由を伝えていない」なぜ?(8/16)
エン・ジャパンが実施した調査から、退職者の半数以上が「本当の退職理由を伝えていない」ことが分かった。なぜか? また、本当の退職理由は?
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2408/16/news059.html