最新データで見る中小企業の労働時間・休日事情(2025年版)
みなさん、年末年始はいかがお過ごしでしたか。
鈴木労務事務所では、本年も少しでも皆さまのお役に立つ情報をお届けしていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今年最初のニュースPickupでは、毎年年末に東京都産業労働局から公表されている「中小企業の賃金事情」を取り上げます。
本調査は、従業員数10人~299人の都内中小企業を対象に、賃金や労働条件の実態を把握するために毎年実施されており、実務の参考になる情報が数多く掲載されています。
調査内容は、「賃金」や「賞与・諸手当」といった賃金に関する項目のほか、「労働時間」や「休日・休暇」に関する項目があり、これらは1年おきに公表されています。
今回は、その中から「労働時間」「休日・休暇」に関する調査結果を中心に、いくつかポイントを見ていきましょう。
所定労働時間
1日の所定労働時間の平均:7時間47分(7時間46分)
所定労働時間8時間が58.0%(57.4%)
※カッコ内は前回(令和5年度)の結果(以下同じ)
週所定労働時間の平均:39時間07分(39時間03分)
週所定労働時間40時間が58.7%(57.4%)
年間所定労働時間の平均:1921時間46分(1930時間20分)
多くの企業で、1日の所定労働時間8時間、週40時間という枠組み自体に大きな変化は見られませんが、年間総労働時間はわずかながら減少傾向にあります。
時間外労働時間
7月の所定外労働時間の平均:男性10時間23分(14時間40分) 女性6時間54分(7時間7分)
男女ともに、所定外労働時間は前回調査から減少しており、減少傾向がはっきりと見て取れます。
柔軟な働き方
勤務間インターバル制度「制度あり」:7.2%(5.3%) 「制度なし」:85.0%(94.7%)
選択的週休3日制「制度あり」:3.1%(4.5%) 「制度なし」:89.2%(95.5%)
フレックスタイム制「制度あり」:19.3% 「制度なし」:73.0%
コアタイムなし:28.2%
いずれの制度も、中小企業においては普及が進んでいるとは言い難く、導入は限定的な状況にとどまっています。
年次有給休暇
年間利用日数:11.3日(10.5日)
利用率:69.3%(66.4%)
時間外労働と同様に、年次有給休暇の取得についても、着実に増加している傾向がうかがえます。
今回は「労働時間」「休日・休暇」について見てきましたが、本調査にはこのほかにも、賃金水準や諸手当、初任給などについて、業態別のデータが掲載されています。
自社の水準を客観的に把握するうえで参考になる資料ですので、一度目を通してみてはいかがでしょうか。
出典:東京都産業労働局「中小企業の賃金事情(令和7年版)」
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/data/koyou/chingin/r7
それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!
厚生労働省|令和7年 民間主要企業年末一時金妥結状況を公表します
~平均妥結額(957,184円)は、集計開始以来過去最高の額~(1/9)
令和7年の民間主要企業における年末一時金の妥結状況が公表されました。平均妥結額は957,184円となり、前年から65,724円(7.37%)増加し、集計開始以来過去最高を更新しています。また、平均要求額も1,008,354円と前年を上回っており、企業・労働者双方で賃上げを前提とした交渉が行われた様子がうかがえます。
🔎今週の視点
年末の賞与は法定の制度ではないものの、賃上げ動向を象徴的に示す指標の一つといえます。ただし、このデータは「主要企業」を対象としたものであり、中小企業では同じ対応が難しいケースも少なくありません。自社の賞与水準や支給方針を考える際には、あくまで参考情報として位置づけ、無理のない制度設計を検討していくことが重要ではないでしょうか。
出典:厚生労働省|令和7年 民間主要企業年末一時金妥結状況を公表します(1/9)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68123.html
厚生労働省|WEBマガジン「厚生労働」(CLOSE UP更新)(1/5)
厚生労働省のWEBマガジン「厚生労働」において、地域の賃金引上げを目的とした「地方版政労使会議」の取組が紹介されています。国レベルの議論だけでなく、地域の実情に応じた賃金引上げの環境整備を進めるため、自治体、労使団体などが連携して話し合いを進めている点が特徴です。
🔎今週の視点
最低賃金の引上げが続く中、賃金を巡る課題は全国一律では語れなくなってきています。地方版政労使会議は、地域の産業構造や人材事情を踏まえた議論の場として、今後注目されそうです。
出典:厚生労働省|WEBマガジン「厚生労働」(CLOSE UP更新)(1/5)
https://www.mhlw.go.jp/stf/web_magazine/closeup/39.html
働き方・休み方改善ポータルサイト(厚生労働省)|特別休暇制度の解説動画を掲載しました。(1/9)
厚生労働省が運営する「働き方・休み方改善ポータルサイト」において、特別休暇制度に関する解説動画が新たに公開されました。特別休暇の考え方や制度設計のポイントについて、図や具体例を交えながら分かりやすく説明されており、制度導入や見直しを検討する企業にとって参考となる内容です。
🔎今週の視点
特別休暇制度は法定制度ではないため、企業ごとの裁量が大きい一方、設計や運用次第では不公平感を生みやすい制度でもあります。特別休暇制度を新設する場合だけでなく、既存制度の位置づけを再確認する意味でも、一度目を通してみる価値はありそうですね。
出典:働き方・休み方改善ポータルサイト(厚生労働省)|特別休暇制度の解説動画を掲載しました。(1/9)
https://work-holiday.mhlw.go.jp/kyuukaseido/#movie
全国健康保険協会|2026(令和8)年度政府予算案を踏まえた収支見込みについて(概要)(1/5)
全国健康保険協会(協会けんぽ)から、2026年度政府予算案を踏まえた収支見込みの概要が公表されました。平均保険料率は9.9%とされ、2025年度の10.0%から引き下げられる見込みです。一方で、介護保険料率は1.62%へ上昇するほか、子ども・子育て支援金制度の開始に伴い、新たな支援金率が示されています。
🔎今週の視点
健康保険料率が引き下げられる見込みとなった点は、企業・従業員双方にとって一定の安心材料といえそうです。ただし、介護保険料率の上昇や新たな支援金の負担も予定されており、全体としての負担感がどのように変わるかは注意が必要ですね。
出典:全国健康保険協会|2026(令和8)年度政府予算案を踏まえた収支見込みについて(概要)(1/5)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g1/r8-1/26010501/
ITmedia ビジネスオンライン|2026年の「賃上げ」や退職給付はどうなる? 三菱UFJ信託銀行が1076社に調査(1/5)
三菱UFJ信託銀行が1076社を対象に実施した調査結果をもとに、2026年の賃上げや定年、退職給付に関する企業の意向が紹介されています。賃上げの実施状況や今後の方針など、企業の人事・報酬戦略の動向がまとめられています。
🔎今週の視点
自社の人事制度を考える際のヒントとして、全体の傾向を押さえておくという読み方が良いのではないでしょうか。
出典:ITmedia ビジネスオンライン|2026年の「賃上げ」や退職給付はどうなる? 三菱UFJ信託銀行が1076社に調査(1/5)
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2601/05/news008.html

