ニュースPickup 2026年2月21日を公開しました。

2026年2月21日

人事労務担当者が知らないと危ない“新種ハラスメント”

以前は「ハラスメント」といえば、「セクハラ」「パワハラ」くらいでしたが、最近では「カスハラ」を筆頭に、あまり耳にしたことのない「〇〇ハラ」をニュース記事やSNSなどでよく見かけるようになりました。

そこで今回は、人事労務に関係のありそうな新種ハラスメントを3択クイズ形式でまとめました。肩肘張らずに、ぜひ気軽にチェックしてみてください。


Q1.「パタハラ」とは?

A. 社員の業務を極度にパターン化し進め方を制限すること
B. 男性社員が育休取得を申し出たことを理由に不利益な扱いをすること
C. 会議中に落ち着きなく動き威圧感を与えること





正解:B

パタニティ(父性)ハラスメントの略称。男性の育児休業取得や育児参加を理由として、不利益な配置転換、評価の引下げ、昇進機会の制限などを行うことを指す。

👆ワンポイント
育休取得を単なる欠員と捉えるのではなく、業務の属人化を見直す機会と考えることが有効です。業務共有や役割の可視化が進めば、組織の安定性はむしろ高まります。また、育児参加を後押しする姿勢は社員の信頼や定着にもつながりますよね。短期の負担と中長期の組織力、その両面を意識した運用が重要です。


Q2.「ロジハラ」とは?

A. 部下の説明が論理的でないと評価を下げること
B. 物流部門につらく当たること
C. 正論を過度に突きつけ、相手を追い詰める言動





正解:C

ロジカルハラスメントの略称。正論や論理を盾に、相手の状況や感情への配慮を欠いたまま執拗に追及し、相手に不快感を与える行為をいう。内容が正しくても、態様次第でハラスメントに該当し得る。

👆ワンポイント
議論では「正しいか」だけでなく「相手に考える余地を残しているか」を意識することが有効です。結論を畳みかけるのではなく、問いかけや確認を挟むだけでも受け止め方は変わります。論理性は重要ですが、敬意を持って対話の形を保つ視点も欠かせません。「自分は正しい」という確信が強いほど、無意識に相手を追い込んでしまう可能性がある点に注意が必要です。


Q3.「エイハラ」とは?

A. 若手社員の挑戦機会を増やす方針を打ち出すこと
B. 世代ごとの傾向を踏まえて人材育成方針を検討すること
C. 年齢を理由に能力を一律に判断すること





正解:C

エイジハラスメント(エイハラ)とは、年齢に結びつけて相手を評価したり、能力を決めつけたりする言動を指す。
「若いのだからこれくらいできるだろう」「その歳でまだ分からないのか」といった発言のように、年齢を理由に過度な期待や否定を行うことも含まれる。

👆ワンポイント
年齢は経験や背景の一要素に過ぎません。若手にも中高年にも、それぞれ強みと課題があります。「年齢だから」とひとまとめにせず、目の前の個人の役割や行動を基準に考えることが大切です。つい口にしている言葉の根拠が年齢になっていないか、一度振り返ってみることが大切です。


Q4.「オワハラ」とは?

A. 内定を条件に他社の選考辞退を迫る行為
B. 退職予定者の引継ぎを厳しく求めること
C. 業務終了時刻を厳守させること





正解:A

就職活動終われハラスメントの略称。内定承諾を迫るために、他社選考の辞退を事実上強要するなど、応募者の自由な意思決定を妨げる行為を指す。

👆ワンポイント
採用場面では、「早く決めてほしい」という思いが強くなりがちです。ただ、他社選考の辞退を迫るような言動は、後から問題視される可能性があります。就職活動に関するやり取りは、SNSなどを通じて一気に広がることも少なくありません。短期的な囲い込みよりも、納得感のある説明と丁寧なフォローを心がけたいところです。


Q5.「テクハラ」とは?

A. テクニカル部門を統合すること
B. 技術職に高度な専門資格取得を執拗に求めること
C. ITに不慣れな社員を嘲笑・排除すること





正解:C

テクノロジーハラスメントの略称。ITやデジタル技術の知識・操作能力の差を理由に、侮辱的言動や排除を行うことを指す。

👆ワンポイント
DX推進期ほど配慮が求められます。操作支援体制や段階別研修を整備し、できないことを責めたり嘲笑ったりするのではなく、「自ら学べる環境」を整えたいところです。分からないことを気軽に聞ける、教えられる雰囲気があれば、組織全体のデジタル対応力は自然と高まります。


Q6.「カスハラ」とは?

A. 顧客や取引先が従業員に対して行う過度な要求や迷惑行為
B. 従業員が顧客対応を拒否すること
C. 会社が顧客満足度を過度に重視すること





正解:A

顧客や取引先などが従業員に対して行う暴言、威圧的言動、過度な要求などの迷惑行為を指す。近年は社会問題化しており、企業に対して対応方針の整備を求める動きも強まっている。

👆ワンポイント
「お客様だから仕方がない」と現場任せにしてしまうと、従業員の負担は大きくなります。行為の主体は顧客であっても、従業員を守る責任は会社にあります。放置せず、対応基準や相談体制を整備することが企業に求められています。今後の動向についても、改めて取り上げます。


ハラスメントの名称は増えていますが、本質は「相手の尊厳を損なわないこと」に尽きます。まずは正しく知り、自社の対応状況を点検することが第一歩です。今後も実務に役立つテーマを取り上げていきます。

それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!


厚生労働省|人事労務マガジン特集第242号(2/18)

過労死等防止調査研究センターの研究成果発表シンポジウム(ハイブリッド開催)の案内や、「多様な正社員」制度導入支援セミナー(3/12開催)の告知などが掲載されています。団体等検定制度に関する出張相談会の情報も紹介されています。

🔎今週の視点:
「多様な正社員」制度は、厚生労働省関連の記事で最近頻繁に目にするようになってきました。新しい働き方として推進したいのかも知れませんね。制度導入を検討している企業にとって、このセミナーは厚労省の温度を知る上でよい機会になるかもしれません。

出典:厚生労働省|人事労務マガジン特集第242号(2/18)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70371.html


愛知労働局|愛知県内の「ユースエール認定企業」が64社になりました。(2/17)

若者の採用・育成に積極的で、雇用管理が優良な中小企業を認定する「ユースエール認定企業」が、愛知県内で64社となりました。若年層雇用を重視する企業への評価制度です。

🔎今週の視点:
人材確保が難しい時代において、公的認定は採用広報の後押しになる可能性があります。自社の若手育成や働きやすさの取組みが、認定基準に照らしてどうかを確認してみるのも一つの方法ではないでしょうか。

出典:愛知労働局|愛知県内の「ユースエール認定企業」が64社になりました。(2/17)
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/shokugyou_shoukai/hourei_seido/nin_soku/youthaichi.html


日本年金機構|「日本年金機構からのお知らせ」令和8年2月号(2/18)

被扶養者認定における年間収入の取扱い(労働契約内容による判断)や、外国籍従業員の厚生年金加入前後に必要となる国民年金手続きなどが取り上げられています。

🔎今週の視点:
被扶養者の年間収入基準は、すでに何度か告知されています。従来よりも整理され、実務上の判断がしやすくなった点は助かりますね。この機に、従業員への周知含めて社内の業務フローを一度確認しておくと安心かもしれません。

出典:日本年金機構|「日本年金機構からのお知らせ」令和8年2月号(2/18)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/info/oshirase/20140627.html


全国健康保険協会|令和8年度保険料額表(令和8年3月分から)(2/19)

令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険料率が公表されました。愛知県は健康保険料9.93%、介護保険料1.62%。子ども・子育て支援金0.23%は4月分から適用されます。

🔎今週の視点:
2026年度から新たに「子ども・子育て支援金」の徴収が始まります。給与明細への記載や給与計算ソフトの設定など、今のうちに確認しておくと安心ではないでしょうか。

出典:全国健康保険協会|令和8年度保険料額表(令和8年3月分から)(2/19)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3150/r08/r8ryougakuhyou3gatukara/


愛知県|あいち経済労働ビジョン2026-2030(2/19)

「あいちビジョン2030」を上位計画とする経済労働分野の基本計画として、「あいち経済労働ビジョン2026-2030」が策定されました。中長期的な産業・労働政策の方向性が示されています。

🔎今週の視点:
県の中長期ビジョンは、今後の補助金や支援策の方向性にもつながっていきます。少し先の動きを知っておくだけでも、自社の採用や人材育成の考え方を整理するヒントになるかもしれません。気になる部分だけでも目を通しておきたいところですね。

出典:愛知県|あいち経済労働ビジョン2026-2030(2/19)
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/sangyo-seisaku/vision-page2026-2030.html