賃金改定の季節
毎年この時期になると賃金改定をされる会社が多くあります。
4月稼働分からの賃金改定で、月末締めの会社は5月支払の給与から変更になりますね。
今回は、賃金改定をする際にうっかりしがちなポイントを確認しましょう。
1.時間単価の変更
賃金改定は、給与計算ソフトなどに変更となる基本給や手当等を入力するケースが多いと思いますが、その際に割増賃金や欠勤、遅刻早退などの計算に必要な「時間単価」の変更も忘れないようにしましょう。
時間単価は基本給や手当など固定的賃金を月所定労働時間で割った単価ですが、家族手当や通勤手当など割増賃金基礎から除外できるものとそうでないものがあります。単純に基本給を月所定労働時間で割って残業代を計算すると、支払不足になる恐れがありますので要注意です。
また1円未満の端数が出る場合もあります。「A.単価設定の段階で端数の出るケース」「B.時間外手当などの計算の結果端数の出るケース」など様々ですが、労働基準法では「A.1時間あたりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、端数を四捨五入する。」及び「B.1か月間における割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合、Aと同様に処理する。」について認められています。安易に切り捨て計算をすると違反となりますので、これも要注意です。
2.年間勤務カレンダーの変更
この時期賃金改定と共に年間の勤務カレンダーを更新するケースも多いと思います。年間労働時間が前年と変わらなければ問題ありませんが、年間労働時間を変更する場合は上記の時間単価も再計算する必要があります。特に休日日数が増えるなどして年間労働日数が減る場合は時間単価が上昇しますので、ここの変更を忘れると支払不足になってしまいます。
3.社会保険標準報酬月額の随時改定(月変)
4月支払から賃金改定が実施された場合は7月改定、4月稼働分の給与が5月に支払われる場合は、8月改定の可能性があるので、忘れないようにしましょう。
他にも3月分(4月納付分)から社会保険料率の改定もされていますので、変更するのを忘れないようにしましょう。
毎年のことですが、1年に1回の事なので、うっかりミスなどの無いように注意が必要ですね。
それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!
日本商工会議所
【動画セミナーを掲載】令和6年度 所得税の定額減税の概要について
~給与支払者が行う事務のポイント~(YouTube)(5/2)
日本商工会議所は、このたび、動画セミナー「令和6年度 所得税の定額減税の概要について ~給与支払者が行う事務のポイント~」をYouTubeに掲載いたしましたので是非ご覧ください。
https://www.jcci.or.jp/news/news/2024/0502165920.html
厚生労働省
人事労務マガジン定例第164号(5/8)
- 令和 6 年度 労働保険の年度更新期間は、6月3日から7月10日まで窓口へ行かずに申告・電子納付ができます
- 従業員の賃金アップと生産性の向上に取り組む事業主の皆さまへ 人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の受け付けを再開しました
- 「地域で活躍する中小企業の採用と定着 成功事例集」を作成しました
- 新規大卒者等の採用を予定している事業主の皆さまへ 就職・採用活動の円滑な実施や学生が学業に専念できる環境づくりにご協力ください
- 不妊治療と仕事の両立のためのマニュアル・ハンドブックをご活用ください
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40009.html
毎月勤労統計調査 令和6年3月分結果速報(5/9)
- 現金給与総額は301,193円(0.6%増)となった。うち一般労働者が386,795円(0.8%増)、パートタイム労働者が108,036円(2.5%増)となり、パートタイム労働者比率が30.70%(0.33ポイント上昇)となった。 なお、一般労働者の所定内給与は328,989円(1.9%増)、パートタイム労働者の時間当たり給与は1,326円(5.0%増)となった。
- 共通事業所による現金給与総額は2.2%増となった。うち一般労働者が2.2%増、パートタイム労働者が2.3%増となった。
- 就業形態計の所定外労働時間は10.4時間(3.7%減)となった。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/2403p/2403p.html
経済産業省
2024年版中小企業白書・小規模企業白書が閣議決定されました(5/10)
中小企業庁は、「令和5年度中小企業の動向」及び「令和6年度中小企業施策」(中小企業白書)、並びに「令和5年度小規模企業の動向」及び「令和6年度小規模企業施策」(小規模企業白書)を取りまとめました。本日、5月10日に閣議決定されましたので公表します。
https://www.meti.go.jp/press/2024/05/20240510002/20240510002.html
内閣府
障害者差別解消法に係る事業者向け説明会の開催について(5/10)
令和6年4月1日に改正障害者差別解消法が施行され、ボランティア団体や個人事業主などを含めた事業者による合理的配慮の提供が義務化されました。
これを踏まえ、事業者に求められる取組や考え方などをお伝えいたします。
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai/jigyousya/index.html
弁護士ドットコムニュース
「職種限定なら同意必要」配転めぐる最高裁判決、労働現場はどう変わるか?(5/9)
最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)は4月26日、職種や業務内容の限定について労使合意がある場合、労働者の同意なく配転命令をすることはできないとする初判断を下した。
https://www.bengo4.com/c_5/n_17535/
労務ドットコム
中小企業の賃上げ率平均は3.3%(5/7)
今年の春闘では満額回答連発となり、賃上げ率も5%といった数字が多く報道されていますが、中小企業の実態はどうなのでしょうか?今回は大同生命が全国の中小企業経営者(従業員数5人以下:47.8% 6~10人:18.8% 11~20人:13.7% 21人以上:17.9%)を対象として2024年3月に実施したアンケート調査の結果を見ていきたいと思います。
https://roumu.com/archives/122261.html
ITmedia ビジネスオンライン
「実質義務なのに?」 勉強会は“自己研鑽だから”残業代ナシ──NGなのか?(5/8)
若手向けに有志の勉強会を開催しています。入社3年目まではなるべく毎回参加するように声掛けをしていますが、「参加するように義務付けられているようなものなのに、残業代が出ないのはおかしい」と人事部に問い合わせがありました。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2405/07/news022.html
新卒の初任給バブル、割を食うのはどの世代か?(5/10)
2024年の春闘で「満額回答」が続いている。新入社員には喜ばしいニュースだが、その裏で割を食うことになる世代もいる。しわ寄せがどこに向かうのか、解説する。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2405/10/news044.html
中小企業庁
「第16回小規模事業者持続化補助金<一般型>」の公募を開始しました(5/8)
小規模事業者等が、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、販路開拓等の取組や、地道な販路開拓等と併せて行う業務効率化の取組を支援するため、経費の一部を補助するものです。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/2024/240508jizoku_kobo.html