ニュースPickup 2024年11月16日を掲載しました。

2024年7月6日

シリーズ「給与計算のツボ」第2回 〜賃金設定の注意点「最低賃金」〜

シリーズ「給与計算のツボ」は、スタートアップ経営者の方や、給与担当を始めたばかりの初心者向けに、給与計算にまつわるあれこれを、不定期にお伝えするものです。
給与計算のカラクリの基本的な仕組みを知っておくことで、従業員や社長からの質問に、自信を持って答えられるようになることを目指します。
リクエストがあればお問い合わせ(→こちら)にお書き下さい。

前回(→こちら)は給与形態についてお書きしましたが、今回は賃金を決めるために必ず押さえておく必要のある、最低賃金について概要と注意すべき点を共有したいと思います。

このサイトをご覧の皆さまは、最低賃金という言葉はもちろんご存知だと思いますが、最低賃金を意識しつつ基本給を決めるために、具体的には何に注意すればいいのか、その辺りがぼんやりしている方も多いのではありませんか?

最低賃金とは、文字通り使用者が労働者に支払わなければいけいない最低の賃金額のことで、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定めており、守らない場合には不足分を支払うとともに、罰則(罰金)が設定されている強いルールです。

最低賃金には「地域別最低賃金」「特定(産業別)最低賃金」の2種類があり、地域別は毎年10月ごろ、特定は毎年12月ごろから変更となり、1ヶ月ほど前に厚生労働省より発表されます。
「特定(産業別)最低賃金」に該当する業種の場合は、「地域別最低賃金」との金額が高い方が適用されますので注意が必要です。なお、「特定(産業別)最低賃金」には、18歳未満又は65歳以上の方など、適用除外の労働者もありますので、こちらからご確認ください。

対象となる労働者は、正社員のみならず、パート、アルバイトの方など全ての労働者が対象です、ここも押さえておきましょう(障がいのある方や軽易な業務に従事する方など、許可申請による減額の特例があります)。

さて、ここからが実務上重要ですが、最低賃金との比較となる賃金の計算方法について触れておきましょう。
最低賃金は賃金の時間単価で示されていますが、例えば月給制の場合、基本給と諸手当の合計を月間の平均所定労働時間で割ったものになります。基本給のみで時間単価を出すわけではありません。
ただし、下記のものは除外されますので、全て最低賃金に含まれるわけではないことに注意してください。

【最低賃金の対象とならない賃金】

  1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  2. 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  3. 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  4. 所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  5. 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
  6. 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

6.の手当は、割増賃金基礎に含める手当とは項目が違いますので、間違えないようにしてください。

注意点としては、上に書いたように改定される時期が秋〜冬になりますので、そのタイミングで最低賃金を下回るようなことがあれば、発効日までに昇給しなければならないという事です。それを見越して春の定期昇給時に、昇給金額を調整する方法も有効です。最も近年最低賃金の上がり幅が拡大する傾向にあるので、なかなか読みづらい点もありますが、、、。

時給制の労働者は、最低賃金との比較がしやすいのでわかりやすいのですが、月給制日給制の労働者は、うっかりすると改定時に最低賃金を下回ってしまい、遡及で支払うなど面倒なことになる恐れがありますので、改定時期が近づいたら確認することが重要ですね。

厚生労働省最低賃金ページ:
https://saiteichingin.mhlw.go.jp/

それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!

厚生労働省
令和7年4月から保育所等に入れなかったことを理由とする育児休業給付金の支給対象期間延長手続きが変わります。(7/1)

これまでは、保育所等の利用を申し込んだものの、当面入所できないことについて、市区町村の発行する入所保留通知書などにより延長の要件を確認していましたが、令和7(2025)年4月より、これまでの確認に加え、保育所等の利用申し込みが、速やかな職場復帰のために行われたものであると認められることが必要になります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00040.html

「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」議論の取りまとめ(7/3)

!https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41109.html
※被用者保険の適用拡大に関する議論です。

人事労務マガジン定例第166号(7/3)
  1. 令和6年度「生涯現役地域づくり環境整備事業」の新規実施団体が決定しました
  2. 7月11日「テレワークセミナー」(オンライン開催)参加者募集中
    第1回テーマはウェルビーイング
  3. 「テレワーク推進企業等厚生労働省大臣表彰(輝くテレワーク賞)」の応募受け付け中
    締め切り:7 月 31 日(水) 他

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41074.html

弁護士ドットコムニュース
最高裁初判断、労災認定で「事業主は取消訴訟できない」(7/4)

労働者の労災が国に認定された場合、事業主に認定の取り消しを求める権利があるかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)は7月4日、事業主は取消訴訟を提起できないとする初めての判断を示した。
https://www.bengo4.com/c_5/n_17726/

ITmedia ビジネスオンライン
経営危機レベルの「人手不足」時代に、総務がやるべきこと(7/2)

人手不足は、日本企業の最大の経営課題になっている。総務もその波からは逃れられない。総務において求められる、人手不足時代の貢献はどのようなものだろうか。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2407/02/news060.html

中小企業庁
中小企業生産性革命推進事業「事業承継・引継ぎ補助金」(十次公募)の公募要領を公表します(7/1)

M&Aによる経営資源の引継ぎを行おうとする中小企業者等を後押しするため、「事業承継・引継ぎ補助金」による支援を実施します。
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2024/240701shoukei_kobo.html

豊田市
豊田市働き方改革推進支援補助金(7/5)

全業種の中小企業者を対象に、補助限度額50万円/年度、補助率2分の1で、3つの事業(働き方改革に向けた基盤づくり事業、働く場所・時間の多様化促進事業、多様な人材活躍推進事業)を支援します。
https://www.city.toyota.aichi.jp/jigyousha/kigyoyuchi/1026482/1053847/index.html

愛知県
「あいちワーク・ライフ・バランス推進運動2024」の賛同事業所を募集します!(7/1)

今年度は、年次有給休暇など休暇を取得しやすい職場環境づくりや定時退社といった、8つの取組に御賛同いただける事業所を募集しますので、お知らせします。
https://www.pref.aichi.jp/press-release/wlb-suisin2024.html

あいちの勤労(2024年4月分) 毎月勤労統計調査地方調査(愛知県分)(6/28)
  • きまって支給する給与
    293,046円となり、前年同月に比べ0.7%の増加(28か月連続)
  • 所定外労働時間
    11.5時間となり、前年同月に比べ7.2%の減少(7か月連続)
  • 常用雇用指数
    99.4となり、前年同月に比べ1.2%の増加(8か月連続)

https://www.pref.aichi.jp/press-release/toukei20240628maikin.html

あいち経済の動き(2024年4月分)(6/28)
  • ︎生産:鉱工業生産指数(季節調整済)は、前月比0.8%の上昇
  • 投資(住宅建設):新設住宅の月間着工戸数は、前年同月比17.7%の増加
  • 投資(公共工事):公共工事の月間請負金額は、前年同月比55.0%の増加
  • 個人消費:百貨店・スーパー販売額は、前年同月比1.9%の増加
  • 雇用:有効求人倍率は、1.31倍

https://www.pref.aichi.jp/soshiki/toukei/0000087453.html

経団連
週間経団連タイムス2024年6月27日 No.3642(6/27)

https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2024/#d20240627