ニュースPickup 2024年11月16日を掲載しました。

2024年10月26日

フリーランス新法の施行について

11月1日から「フリーランス新法」(正式名称:フリーランス・事業者間取引適正化等法)がスタートします。この法律は、フリーランスの方がより安心して働ける環境を整えるために作られました。
一般の労働者は雇用契約で給与を受け取りますが、フリーランスの方は主に業務委託契約で収入を得ています。そのため、これまでは十分な法的保護が行き届きにくい部分がありましたが、新法ではこれまでの法的保護から一歩踏み込んだものと言えます。

従来の下請法との違い

これまでの「下請法」では、主に法人が対象で、フリーランスは保護の対象外となっていました。また、発注側も資本金1,000万円以上の企業に限られていました。一方、フリーランス新法は、個人事業主や従業員のいない、いわゆる「マイクロ法人」も対象とし、発注側の会社規模も問わないので、より幅広いフリーランスの方々を適切な取引環境で働けるようにしようとするものです。

フリーランス新法の主なポイント

フリーランス新法には、取引のルールを整え、より働きやすい環境をつくるための内容が含まれています。

取引ルールの改善

  • 契約内容は書面でわかりやすく提示する
  • 報酬の支払期日を決め、期日内に支払う
  • 受領拒否や報酬減額、返品の強制、不当な値引きなどの不当行為は禁止

働きやすい環境の整備

  • 募集内容の正確な表示
  • 育児や介護などと両立できる配慮
  • ハラスメント防止の体制づくり
  • 契約解除の際の事前通知や理由の開示

こうしたルールの適用範囲は発注側の事業規模や業種によって異なりますが、フリーランスの方もより労働者に近い保護を受けられるようになっている印象を受けます。

今週の振り返り
  • 広い対象範囲:個人事業主や小規模会社も保護の対象に。
  • 取引の透明化:契約条件の明示と期日内の報酬支払いを義務化。
  • 禁止行為の明確化:受領拒否や報酬減額などの不当な行為を禁止。
  • 働きやすい環境整備:ハラスメント対策や育児・介護への配慮が義務化。
  • 安心な働き方を支援:フリーランスも労働者に近い保護を受けられる。

厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00002.html

それでは今週のニュースPickupをどうぞ!

厚生労働省
グッドキャリア企業アワード2024 シンポジウムを開催いたします(10/24)

厚生労働省は、従業員の自律的なキャリア形成支援について他の模範となる取組を行っている企業等を表彰し、その理念や取組内容、具体の効果等を広く発信、普及することにより、キャリア形成支援の重要性を社会に広め、定着を期すことを目的に、グッドキャリア企業アワードを実施します。
https://www.mhlw.go.jp/career-award/award_ceremony.html

新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します
~就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者38.4%、新規大卒就職者34.9%~(10/25)

就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が38.4%(前年度と比較して1.4ポイント上昇)、新規大学卒就職者が34.9%(同2.6ポイント上昇)となりました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00007.html

「労働者性に疑義がある方の労働基準法等違反相談窓口」を労働基準監督署に設置します
~労働者かもしれないフリーランスからの相談に対応~(10/25)

厚生労働省は、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」が施行される11月1日に合わせて、全国の労働基準監督署に、自らの働き方が労働者に該当する可能性があると考えるフリーランス(業務委託を受ける事業者)からの労働基準法等の違反に関する相談窓口(受付時間:8時30分~17時15分(平日のみ))を設置します。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44487.html

毎月勤労統計調査 令和6年8月分結果確報(10/24)
  • 現金給与総額は296,154円(2.8%増)となった。うち一般労働者が379,012円(3.1%増)、パートタイム労働者が109,767円(3.8%増)となり、パートタイム労働者比率が30.82%(0.48ポイント上昇)となった。なお、一般労働者の所定内給与は332,632円(2.7%増)、パートタイム労働者の時間当たり給与は1,362円(4.8%増)となった。
  • 共通事業所による現金給与総額は3.5%増となった。うち一般労働者が3.6%増、パートタイム労働者が4.0%増となった。
  • 就業形態計の所定外労働時間は9.3時間(3.1%減)となった。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/2408r/2408r.html

日本年金機構
「日本年金機構からのお知らせ」令和6年10月号(10/20)
  • CDによる被保険者データの提供は令和7年3月末で終了するため被保険者データの受け取りは「オンライン事業所年⾦情報サービス」をご利用下さい。
  • 協会けんぽ管掌事業所のご担当者さまへ
    令和6年12月2日以降は健康保険証発⾏されなくなります。 他

https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/info/oshirase/20140627.html

日本国外の金融機関で年金を受け取っている方への年金支払いに関する手続きのお願い(10/23)

国際決済ネットワークであるSWIFT(国際銀行間金融通信協会)において、外国送金におけるマネーロンダリングの規制強化や外国送金事務の効率化を図ることを目的として、外国送金を行う際は、送金先の金融機関のSWIFT(BIC)コードやお客様の住所の都市名・州名が必要となりました。
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2024/202410/1023.html

ITmedia ビジネスオンライン
【11月施行】フリーランス新法が「下請法」と大きく異なる点は? 分かりやすく解説(10/25)

11月1日にフリーランス新法が施行されます。これまでも「下請法」という法律はありましたが、どう違うのでしょうか? 社会保険労務士が分かりやすく解説。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2410/25/news034.html

「解雇を受け入れたら、お金がもらえる」 解雇規制の緩和、日本で実現するか?(10/25)

「解雇を受け入れる代わりに、労働者が金銭を受け取れる」制度が日本で実現するかもしれない。日本の「解雇」をめぐる現状を整理しよう。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2410/25/news014.html