ニュースPickup 2025年3月8日を掲載しました。

2025年1月11日

2025年労働関係法改正

新しい年が始まりました。
平素は鈴木労務事務所へのご愛顧を賜わり、厚く御礼申し上げます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、2025年も数多くの労働法関連の法改正が予定されています。
今回はその主なものを一覧にしてみました。
今後折りに触れてそれぞれの項目について解説してみたいと思います。

まずは全体を把握して、どの時期にどのような対策が必要かの概要を掴むと良いでしょう。

育児・介護関連

2025年(令和7年)1月1日施行

3歳に満たない子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例の申出等に係る添付書類の省略

事業所の事業主による確認を受けた場合には、当該子と申出者との身分関係を明らかにすることができる市町村長その他相当な機関の証明書又は戸籍の抄本の添付を不要とする(親子のマイナンバー記載必要)。


2025年(令和7年)4月1日施行

子の看護休暇の見直し
  • 子の看護等休暇に名称変更
  • 小学校就学前→小学校3年生修了までに延長
  • 取得事由に感染症に伴う学級閉鎖等及び入園(入学)式、卒園式を追加
  • 労使協定による継続雇用期間6か月未満除外規定の廃止

所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大

3歳未満→小学校就学前まで延長

短時間勤務制度(3歳未満)の代替措置にテレワークを追加
育児のためのテレワーク導入の努力義務化

3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できる措置を事業主に努力義務

育児休業取得状況の公表義務適用拡大

1,000人超企業→300人超企業

介護休暇を取得できる労働者の要件緩和

労使協定による継続雇用期間6か月未満除外規定の廃止

介護離職防止のための雇用環境整備
  1. 介護休業・介護両立支援制度等に関する研修の実施
  2. 介護休業・介護両立支援制度等に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
  3. 自社の労働者の介護休業取得・介護両立支援制度等の利用の事例の収集・提供
  4. 自社の労働者へ介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知

のいずれか

介護離職防止のための個別の周知・意向確認等
  1. 介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認
  2. 介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供
介護のためのテレワーク導入の努力義務化

要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できる措置を事業主に努力義務

出生後休業支援給付金の創設

子の出生直後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、夫婦共に14日以上の育児休業を取得する場合に、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額を給付し、育児休業給付とあわせて給付率80%(手取りで10割相当)へと引き上げ

育児時短就業給付の創設

被保険者が、2歳未満の子を養育するために、時短勤務中に支払われた賃金額の10%を支給


2025年(令和7年)10月1日施行

育児期の柔軟な働き方を実現するための措置

3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に関して、5つの措置の中から2つ以上の措置を講ずる

  1. 始業時刻等の変更
  2. テレワーク等(10日以上/月)
  3. 保育施設の設置運営等
  4. 就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇(養育両立支援休暇)の付与(10日以上/年)
  5. 短時間勤務制度

柔軟な働き方を実現するための措置の個別の周知・意向確認

労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで)
1.面談 2.書面交付 3.FAX 4.電子メール等 のいずれか

妊娠・出産等の申出時と子が3歳になる前の個別の意向聴取
  1. 労働者が本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出たとき
  2. 労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで)
  3. 1.面談 2.書面交付 3.FAX 4.電子メール等 のいずれか

聴取した労働者の意向についての配慮

上記聴取した意向について、自社の状況に応じて配慮が必要
【具体的な配慮の例】

  • 勤務時間帯、勤務地にかかる配置
  • 両立支援制度等の利用期間等の見直し
  • 業務量の調整
  • 労働条件の見直し 等

雇用保険法関連

2025年(令和7年)4月1日施行

自己都合離職者の給付制限の見直し
  • 原則の給付制限期間を2ヶ月から1ヶ月へ短縮(5年間で3回以上の自己都合離職の場合には給付制限期間3ヶ月)
  • 離職期間中や離職日前1年以内に、自ら雇用の安定及び就職の促進に資する教育訓練を行った場合には、給付制限を解除
就業促進手当の変更
  • 就業手当の廃止
  • 就業促進定着手当の上限を支給残日数の20%に引き下げ
雇止めによる離職者の基本手当の給付日数に係る特例、地域延長給付の暫定措置の令和8年度末までの継続
高年齢雇用継続給付の支給率変更

対象:60歳に達した日(または被保険者期間が5年を満たすこととなった日)が令和7年4月1日以降の一般被保険者
支給率上限:15%→10%


2025年(令和7年)10月1日施行

教育訓練休暇給付金の創設

雇用保険被保険者が教育訓練を受けるための休暇を取得した場合の、基本手当に相当する給付

障害者雇用促進法関連

2025年(令和7年)4月1日施行

障害者の法定雇用率の除外率引き下げ
  • 除外率一律10ポイント引き下げ(警備業、介護老人保健施設、介護医療院が新規追加)
  • 現在除外率が10%以下の業種については除外率制度の対象外

これらの法改正に対して、企業にとっては就業規則の変更等の対応が必要です。事前に内容を把握して早めの対策をすることが重要ですね。

それでは今週のニュースPickupをどうぞ!

厚生労働省
「労働基準関係法制研究会」の報告書を公表します(1/8)

今後の労働基準関係法制について包括的かつ中長期的な検討を行うとともに、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(平成30年法律第71号)附則第12 条に基づく労働基準法等の見直しについて、具体的な検討を行うことを目的として、「労働基準関係法制研究会」(座長:荒木尚志東京大学大学院法学政治学研究科教授)において検討が行われてきたところですが、本日、研究会の報告書がとりまとめられましたので、公表いたします。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_48220.html

マイナポータルを利用した離職票の受け取り FAQ(1/8)

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001367146.pdf

動画版「これってあり?~まんが知って役立つ労働法Q&A~」を作成しました
~就職やアルバイトをする学生向けに、労働に関する基本ルールを分かりやすく解説~(1/10)

厚生労働省は、労働法に関する疑問と解説を分かりやすくまとめた学習教材「これってあり?~まんが知って役立つ労働法Q&A~」をより多くの方にご覧いただくことを目的に、本教材の動画版を作成しました。この動画は、1月10日から、厚生労働省のウェブサイトや公式YouTubeチャンネルで公開します。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47730.html

人事労務マガジン定例第172号(1/9)
  1. 「労働契約等解説セミナー2024」の追加開催を決定
  2. 建設業・ドライバーなどの時間外労働の上限規制が適用されています
    「働き方改革」について、新規 PR 動画「はたらきかたススメ ver.2」を公開
  3. 各種制度を説明するパンフレット「働きながらお母さんになるあなたへ」を作成
  4. 1 月 16 日(木)開催「テレワークセミナー」(オンライン)参加者募集中 他

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_48032.html

国税庁
定額減税特設サイト「確定申告に関する情報」(1/6)

このページでは、定額減税の実施を踏まえた、令和6年分所得税の確定申告に関する情報を掲載しております。
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/kakutei.htm

日本商工会議所
中小企業向け「令和7年度税制改正のポイント」(12/27)

日本商工会議所は、令和7年度与党税制改正大綱(2024年12月20日)の公表を受け、改正内容を中小企業向けに分かりやすくとりまとめた「令和7年度税制改正のポイント」を作成した。 
中小企業の「稼ぐ力」の強化に向けた税制措置等について分かりやすく解説している。
https://www.jcci.or.jp/news/news/2024/1227180040.html

ITmedia ビジネスオンライン
仕事のミスを隠そうとする部下、掛けるべき「一言」(1/7)

「申し訳ありません……」。上司から「なぜミスを隠したのか?」と問われ、若手社員は俯いたまま何も答えられなかった。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2501/07/news070.html

日本年金機構
「オンライン事業所年金情報サービス」はより多くの方が利用できるようになりました(1/7)

日本年金機構では、社会保険に関する情報・通知書を電子送付する「オンライン事業所年金情報サービス」を提供しています。
これまで、当サービスはGビズIDをお持ちの事業主の方のみ利用可能でしたが、令和7年1月から電子証明書をお持ちの事業主の方や社会保険労務士の方も利用できるようになりました。
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2025/202501/010703.html

経団連
週刊経団連タイムス2025年1月1日 No.3665

https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2025/#d20250101

週刊 経団連タイムス 2025年1月9日 No.3666(1/9)

https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2025/#d20250109