ニュースPickup 2025年4月12日を掲載しました。

2025年4月12日

育児休業給付延長の厳格化〜手続きの具体的ポイント〜

前回(2025年4月5日公開の記事)では、「育児休業給付延長の厳格化」について、ChatGPTに聞いてみるというスタイルでお届けしました。AIの実力に驚かれた方も多かったのではないでしょうか。

今回は、前回の記事でお伝えした延長厳格化の主旨を踏まえ、ChatGPTに任せずに(笑)具体的な手続きがどのように変わったのか?についてご紹介したいと思います。


提出書類の追加

育児休業給付の延長申請において、今回の見直しで以下の2点の提出書類が追加されました。

  • 育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書
  • 保育所等の利用申込書の写し(市区町村に提出したもの)

これにより、入所意思がないのに育休延長のために入所申し込みするケースを防ぎ、延長の申し込みが速やかな職場復帰のために行われたものであることをより具体的に確認されるようになりました。

申告書の記載内容

申告書では、保育所の選定理由についてもチェックされます。特に、自宅から片道30分以上かかる保育所にしか申し込んでいない場合は、その理由が合理的である必要があります。

以下のような事情がある場合には、その旨を申告書に記載します。

  • 保育所などが本人または配偶者の通勤経路の途中にある
  • 自宅から30分未満で通える保育所などがない
  • 自宅から30分未満で通える保育所などのすべてが、開所時間または開所日(曜日)では職場復帰後の勤務時間または勤務日(曜日)に対応できない
  • 子どもが病気や障害により特別に配慮が必要であり30分未満で通える保育所などはすべて申し込み不可である
  • 兄弟と同じ保育所などの利用を希望する場合、30分未満で通える保育所などがいずれも過去3年以内に児童への虐待等について都道府県または市区町村から行政指導等を受けている

入所できないことの証明の発行日基準

育児休業給付の延長には、これまでも「保育所に入れなかった」ことの証明書類として、入所保留通知書や入所不承諾通知書が必要でした。

今回の改正では、これに加えて通知書の発行日に明確な基準が設けられました。

通知書の発行日は、「子が1歳に達する日の翌日」の2か月前以降の日付であること(4月入所申し込みの場合は3か月前以降)

発行年月日が上記期限より前の日付の入所保留通知書等しかなく、入所保留中は市区町村から新たな通知が発行されない場合には、申告書の理由欄にその旨を記載の上、直近の入所保留通知書等(子が1歳に達する日の翌日が保留の有効期限内にあるものに限る)を添付することができるとされています。

これは、「古い通知書を使い回していないか」「最新の保育所申込結果に基づく延長申請であるか」を確認するためです。

※「子が1歳に達する日」とは、1歳の誕生日の前日を指します(例:6月10日生まれの子であれば、6月9日)。したがって「翌日」は、誕生日当日(6月10日)になります。
※1歳6か月に達する日後の延長の場合は、「子が1歳に達する日の翌日」を「子が1歳6か月に達する日の翌日」と読み替えてください。

育児休業給付の延長手続きは、より厳密に「保育所の探し方」と「入所できなかった証明」の内容が問われるようになりました。
育児休業の終了が近づいている場合は、入園申し込みのタイミングをよく確認し、早めに必要書類含めた準備をすることが重要です。対象の従業員の方ともよく打ち合わせの上、復帰に向けた動きをすることをお勧めします。

今週の振り返り
  • 提出書類の追加:育児休業給付延長申請に新たに「延長事由認定申告書」と「保育所利用申込書の写し」が必要。
  • 申告書の記載内容:保育所選定理由に合理的な理由を記載。30分以上通う保育所のみの申し込みの場合、詳細な理由が求められる。
  • 入所証明書の提出:入所保留通知書は「子が1歳に達する日の翌日」の2か月前以降の日付で発行されたものが必要。

【参考】育児休業給付金の支給対象期間延長手続き:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00040.html

それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!


厚生労働省
令和7年度の業務改善助成金の交付要綱・要領を公開しました。(4/9)

業務改善助成金コールセンターは、令和7年4月11日(金)9時から開設します。 厚生労働省では、業務改善助成金だけでなく、生産性向上(設備・人への投資等)、正規・非正規の格差是正、より高い処遇への労働移動等を通じ、労働市場全体の「賃上げ」を支援しております。賃金引上げの検討の際に、ご活用ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html

首相官邸
「4月から始まる子育て支援策」に関する石破総理ビデオメッセージ(4/4)

石破総理は、「4月から始まる子育て支援策」に関するビデオメッセージを発出しました。
https://www.kantei.go.jp/jp/103/discourse/20250404message.html

愛知県
2025年度「あいち女性輝きカンパニー」優良企業表彰候補企業の募集について(4/7)

愛知県では、「女性が元気に働き続けられる愛知」の実現に向けて、「あいち女性の活躍促進プロジェクト」を推進しています。
このプロジェクトの一環として、2016年度から、女性の活躍に意欲的に取り組む企業等として県が認証した「あいち女性輝きカンパニー」の中から、女性の活躍に向けた取組を特に積極的に推進し、他の模範となる企業を表彰しています。
https://www.pref.aichi.jp/press-release/r7-company-hyosho.html

スキルアップ講座(4/10)

現在職業に就いている方を対象に、より一層の職業能力の向上を目指し新しい知識や技術を身につけていただくための短期間の職業訓練を実施しています。
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/nagoya-senmonko/nyukou-skill.html

ITmedia ビジネスオンライン
「社費で資格」取った若手が転職……会社は「研修費用」の返還を求められるか?(4/7)

資格取得や大学院への進学を支援するなど、会社の費用で従業員のスキルアップをサポートする制度が増える中、一部制度を”悪用”する社員もいるようで……?
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2504/07/news042.html

「また休むの?」子育て社員に“絶対言えない本音”──周囲が苦しむサポート体制から脱せるか(4/11)

人に寄り添った“あたたかい制度”であるはずの「育児休暇制度」。しかし、現状はたくさんの人がしんどい思いをし、不機嫌になっている。こうした中、子育て社員と子育て社員をサポートする社員の「心の壁」を解決しようと、会社側が動き出した。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2504/11/news052.html

経団連
「女性と健康」に関する調査結果(4/11)

https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/023.pdf

経済産業省
中小規模の製造事業者向けに工場のセキュリティを確保するための具体的な手順や事例を紹介する解説書を策定しました(4/11)

経済産業省は、主に工場を有する中小規模の製造事業者の経営層や、工場のセキュリティ担当者として選任された方を対象に、「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」の解説書として【工場セキュリティの重要性と始め方】を策定しました。
https://www.meti.go.jp/press/2025/04/20250411005/20250411005.html

日本商工会議所
商工会議所ニュースかわら版No.146を発行(4/8)

日本商工会議所はこのほど、商工会議所の取り組みを紹介する「商工会議所ニュースかわら版」No.146を発行した。(1)第140回通常会員総会を開催 新しい時代切り開く、(2)日商・日中経協・経団連合同訪中団 過去最大規模230人が参加、(3)feel NIPPON 春2025 入賞59商品を選定、を取り上げている。
https://www.jcci.or.jp/news/news/2025/0408131802.html