厚生労働省|出生後休業支援給付の簡易診断(要件確認)ツールを試してみた
今年4月にスタートした「出生後休業支援給付」は、子どもの出生後にパパとママ双方が14日以上の育児休業を取得すると、一定条件のもとで給与の13%が支給される制度です。「実質手取り10割」と大きく報道されましたが、実際には 支給要件が複雑で、添付書類の種類も多い ため、現場では「分かりにくい」「間違えやすい」といった声も聞かれます。
そこで厚生労働省が公開したのが「出生後休業支援給付の簡易診断(要件確認)ツール」です。実際に使ってみると、画面ではまず「父親か母親か」「養子かどうか」を選び、続いて配偶者の就業状況(会社員か公務員か自営業かなど)を選択。その後、出産予定日と出生日を入力すると、自分のケースに応じた 取得すべき休業期間・手続方法・必要書類 が一覧で表示される仕組みになっています。
例えば「父親」を選んで「配偶者が会社員」と指定した場合、何日以上どの期間休めば対象になるのかが自動計算され、申請に必要な添付書類まで一目で確認できます。特にパパ側の条件は複雑になりがちですが、このツールなら要件と書類が整理されるので迷わず確認できそうです。
便利だと感じたのは、配偶者の条件も含めて「どの期間に休む必要があるか」を自動計算してくれる点と、取得が難しいケースの要件や必要書類まで整理される点です。これなら制度を初めて扱う担当者や、従業員に説明する立場でも安心して使えるのではないでしょうか。
シンプルながら実務に直結するツールです。該当する従業員に紹介しておけば、誤解や余計な手間を防ぐ助けになるはずです。ぜひ一度試してみてください。
参考:厚生労働省|出生後休業支援給付の簡易診断(要件確認)ツール
https://www.mhlw.go.jp/stf/syussyougo_kanishindan_00001.html
それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!
総務省|2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)8月分(9/19)
- 総合指数は2020年を100として112.1
前年同月比は2.7%の上昇 前月比(季節調整値)は0.1%の上昇 - 生鮮食品を除く総合指数は111.6
前年同月比は2.7%の上昇 前月と同水準(季節調整値) - 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は110.9
前年同月比は3.3%の上昇 前月比(季節調整値)は0.3%の上昇
🔎今週の視点
電気・ガス料金への政府の補助などによって上昇率は鈍化する一方、米を筆頭に食料品の値上がりが物価を押し上げる状況が続いていて「生鮮食品を除く食料」は去年の同じ月と比べて8%上昇しました。
物価動向は実質賃金の変動に直結します。物価と賃上げとのバランスを見極めることが重要だと思いますが、この物価上昇に賃金が追いつくかどうかが課題になりそうです。
出典:総務省|2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)8月分(9/19)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei08_01000323.html
総務省|統計トピックスNo.146 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-(9/14)
65歳以上人口は3619万人で総人口の29.4%を占め、世界で最も高い比率となりました。高齢者就業者数は21年連続で増加し930万人と過去最多を更新しています。
🔎今週の視点
就業者総数に占める65歳以上の就業者の割合は、13.7%と過去最高となっています。今や高齢者の労働力が企業を支える重要な戦力になっていると言っても過言ではない気がします。シニア雇用を前提とした制度設計や職場環境整備を進めることが、今後はますます重要になるのではないでしょうか。
出典:総務省|統計トピックスNo.146 統計からみた我が国の高齢者(9/14)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei02_01000020.html
雇用関係助成金ポータル(厚生労働省)|10/1改正対応の電子申請受付開始予定(9/13)
両立支援等助成金の複数コース(出生時両立支援・介護離職防止・育児休業等支援など)が10月改正に対応し、電子申請受付が開始されます。
🔎今週の視点
10月の制度改正に合わせて電子申請が整備されるのは、現場にとってありがたい変化といえるのではないでしょうか。申請の手間やミスを減らせる可能性がありますし、実務担当者にとっても安心感につながりそうです。ただし、改正点を十分に理解していないと対応が後手に回ることもありますので、今のうちから支給要領や手引きを確認し、自社の運用にどう影響するかを整理しておくのがよいのではないでしょうか。
出典:雇用関係助成金ポータル(厚生労働省)|10/1改正対応の電子申請受付開始予定(9/13)
https://www.esop.mhlw.go.jp/
日本商工会議所|「多様な人材の活躍に関する重点要望」を公表・提出(9/17)
外国人材・女性・シニア・障がい者など、多様な人材の活躍推進に向けた重点要望を政府に提出しました。
🔎今週の視点
今回の要望では、採用した人材を職場だけでなく地域社会にも根付かせる視点が示されていました。例えば外国人材への生活支援や、障がい者雇用における福祉機関との連携など、企業単独では解決が難しいテーマです。こうした観点が盛り込まれているのは興味深く、実際に取り組みが広がればさらに幅広い人材の定着や活躍につながるのではないでしょうか。
出典:日本商工会議所|「多様な人材の活躍に関する重点要望」を公表・提出(9/17)
https://www.jcci.or.jp/news/recommendations/index02/2025/0917140045.html
弁護士ドットコムニュース|スシローに続き「はま寿司」でも学生バイトら労組結成(9/19)
回転寿司チェーン「はま寿司」で学生アルバイトらが労働組合を結成し、団体交渉で「賃金計算を1分単位化」させる成果を得ました。
🔎今週の視点
「賃金計算を1分単位で行う」のは至極当然だと思いますが、非正規雇用の労働環境改善は今後さらに注目される分野です。小売・外食業界だけでなく、幅広い業種で「アルバイトやパートの労使交渉」が広がる可能性があるのではないでしょうか。
出典:弁護士ドットコムニュース|スシローに続き「はま寿司」でも学生バイトら労組結成(9/19)
https://www.bengo4.com/c_5/n_19380/
愛知労働局(厚生労働省)|愛知県最低賃金を1,140円に引上げます(9/18)
愛知県の最低賃金は、10月18日から1,140円に改定されます(現行1,077円から63円引上げ)。
🔎今週の視点
最低賃金の上昇は避けられない一方で、中小企業にとってはコスト負担の増加が重くのしかかります。支援策をどう活用し、賃金と経営の両立を図るかが実務の焦点になりそうです。
出典:愛知労働局(厚生労働省)|愛知県最低賃金を1,140円に引上げます(9/18)
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/jirei_toukei/chingin_kanairoudou/oshirase.html