ニュースPickup 2025年11月22日を公開しました。

2025年11月22日

通勤手当の非課税限度額引上げが正式決定

令和7年の通勤手当に関する改正が、11月19日に正式に公布されました。以前このコーナーでも取り上げたテーマ(→こちら)でしたが、「今年の年末調整に間に合わせてくる」とは、正直少し驚きです。とはいえ、給与計算を担当されている皆さまにとっては、今まさに実務対応が求められるタイミングになっています。

今回の改正では、自動車などの交通用具を使用して通勤する従業員に支払われる通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。自家用車通勤者に課税分が生じている場合には、非課税分との再振り分けが必要になります。

特に押さえておきたいのは、改正日そのものは11月20日ですが、令和7年4月1日以降に支払われた通勤費についても遡及適用が行われるという点です。これにより生じる差額は年末調整で精算するため、遡及分の把握と整理が実務上重要なポイントになります。

改正後の1か月当たりの非課税限度額は、次のとおりです。

国税庁のQ&Aでは、給与計算の実務に直結する注意点がいくつか示されています。例えば、未払いや遡及支給がある場合には「本来支払われるべき月」で判定すること、源泉徴収簿の空白部分への記載は原則必要であるものの、給与ソフトが対応していない場合は正しく年調税額が算定されていれば記入しなくても差し支えないことなどです。また、年の途中で退職した従業員については、精算すべき税額がある場合には源泉徴収票を訂正して再交付する必要がある点にも注意が必要です。

改正後の非課税限度額の具体的な金額や細かな取扱いについては、国税庁の特設ページに整理されていますので、ぜひ一度ご確認ください。

出典:通勤手当の非課税限度額の改正についてhttps://www.nta.go.jp/users/gensen/2025tsukin/index.htm

それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!


厚生労働省|令和8年3月大学等卒業予定者の就職内定状況(10月1日現在)を公表します(11/14)

大学(学部)の就職内定率は73.4%で前年同期比0.5ポイント増、短期大学は38.4%で同3.9ポイント減となった。大学・短大・高専全体では70.9%とほぼ横ばいで、専修学校を含むと70.1%と1.3ポイントの増加が見られた。全体としては堅調だが、短期大学での減少がやや目立つ結果となっている。

🔎 今週の視点
採用環境は引き続き売り手市場が続いている印象で、特に大学生の動きは堅調といえるのではないでしょうか。地域別ではほぼ横ばいの地域が多い中、中国・四国地方が大きく上げています。

出典:厚生労働省|令和8年3月大学等卒業予定者の就職内定状況(10月1日現在)を公表します(11/14)https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000184815_00057.html


日本商工会議所|「2025年度の中小企業の賃上げに関する調査」の集計結果について(11/20)

日本商工会議所が実施した調査によると、2025年度に賃上げを予定している企業は広い業種で一定の割合を占めていることが分かった。経営環境は依然として厳しいものの、人材確保のため賃上げを継続する動きが確認されている。

🔎 今週の視点
最低賃金の引上げに続き、賃上げへの意識が企業に浸透している様子がうかがえます。中小企業では、人件費の増加にどのように対応するかが課題になりますが、一方で人材定着の観点から前向きな投資と捉えることもできます。助成金や業務効率化の取り組みと併せて、自社に合った賃上げの方法の検討が必要ですね。

出典:日本商工会議所|「2025年度の中小企業の賃上げに関する調査」の集計結果について(11/20)https://www.jcci.or.jp/news/research/2025/1120120003.html


ITmedia ビジネスオンライン|副業の平均時給3617円で過去最高に 一方で「未申告」「隠れ過重労働」の実態も(11/18)

パーソル総合研究所の調査によると、企業の副業容認率・受入率、正社員の副業実施率がいずれも過去最高となった。副業の平均時給は3617円と高水準だが、未申告の副業や長時間労働につながるケースも一定数あることが指摘されている。

🔎 今週の視点
副業は定着しつつあり、従業員にとって選択肢が広がる一方で、企業側の管理が追いつきにくい側面もあるようです。特に未申告の副業は、労働時間管理や健康管理の観点からリスクが生じます。副業ルールの見直しや、申告しやすい仕組みづくりなど、無理のない範囲で整備を進めることが、これからの中小企業には求められるのではないでしょうか。

出典:ITmedia ビジネスオンライン|副業の平均時給3617円で過去最高に 一方で「未申告」「隠れ過重労働」の実態も(11/18)https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2511/18/news014.html


日本年金機構|「日本年金機構からのお知らせ」令和7年11月号(11/19)

最低賃金の上昇により従業員の賃金が変動した際には、資格取得届等の各種届出が必要となる場合があること、また口座振替や電子納付(Pay-easy)の利便性について案内している。

🔎 今週の視点
最低賃金改定後は、賃金の変動に伴って、会社の規模によってはこれまで対象外であった社会保険の資格対象となることがあります。最低賃金に合わせた賃金改定のみでなく、社会保険の対象となるかどうかの確認も今一度やっておく必要がありますね。

出典:日本年金機構|「日本年金機構からのお知らせ」令和7年11月号(11/19)https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/info/oshirase/20140627.html


中小企業庁|小規模事業者支援法に基づく政令・省令・基本指針を改正しました(10/19)

小規模事業者支援法に基づき、政令・省令・基本指針が改正・公布され、11月20日から施行される。主な内容は、経営発達支援計画に関する権限を経済産業大臣から経済産業局長へ委任すること、広域経営指導員の創設など、小規模企業の支援体制を強化するものとなっている。

🔎 今週の視点
小規模事業者への支援体制がより柔軟に、また機動的に行えるようにするための改正といえそうです。支援窓口が地域に近くなることで、相談しやすくなる場面も増えるかもしれません。

出典:中小企業庁|小規模事業者支援法に基づく政令・省令・基本指針を改正しました(10/19)https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/2025/251119.html