現物給与価額改正へ 住宅評価の見直しに要注意
2026年3月19日、日本年金機構は「令和8年4月1日から現物給与価額が改正されます」との記事を公表しました。現物給与価額とは、通勤定期券や住宅(社宅や寮など)、食事など、金銭ではなく現物として支給されるものを通貨に換算し、金銭と合算して社会保険料の基礎となる標準報酬として評価する際の基準を指します。住宅については従来、居住部分の畳数を基準に価額を算定し、使用料を本人から徴収している場合には差額分を報酬とする取扱いでした。
今回の改正では、まず2026年4月1日より食事の価額が見直され、さらに同年10月1日からは住宅に係る現物給与価額が大きく変更されます。
従来は、たとえば「6畳の居室+キッチン+浴室+廊下」といった住宅であっても、評価の対象は主に居室部分(6畳)のみという考え方でした。しかし改正後は、同じ住宅でもキッチンや浴室、廊下、玄関なども含めた専有面積全体(例えば30㎡など)を基準として評価することになります。
また、評価の基準も「1畳あたり」から、建物資料ベースで把握しやすい「1㎡あたり」へと改められます。
こうした評価対象の広がりにより、従来より現物給与としての評価額が増加するケースも想定されます。
10月からの適用ではありますが、早めの準備が欠かせません。社宅の正確な面積把握はもちろん、本人負担額の見直しや、それに伴う社宅規程の変更が必要となる可能性もあります。標準報酬月額や社会保険料への影響も含め、事前に確認しておきたいテーマではないでしょうか。
出典:日本年金機構|令和8年4月1日から現物給与価額が改正されます(3/19)
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/jigyosho/2026/202603/0319.html
それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!
厚生労働省|第221回国会(令和8年特別会)提出法律案(3/13)
医療保険制度の持続可能性と負担の公平性を確保するため、健康保険法等の改正法案が提出されました。一部保険外療養の創設や、後期高齢者医療における金融所得の反映、出産費用の見直し、子どもの均等割軽減の拡充など、多岐にわたる見直しが盛り込まれています。
🔎今週の視点
今回の改正は「負担の公平性」と「制度の持続性」を軸に幅広い見直しが行われている点が特徴です。特にOTC医薬品に置き換え可能な分野での一部保険外療養の導入や、後期高齢者医療における金融所得の反映などは、これまでの仕組みを一歩踏み込んで見直す動きともいえそうです。制度の方向性として押さえておきたいテーマではないでしょうか。
出典:厚生労働省|第221回国会(令和8年特別会)提出法律案(3/13)
https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/221.html
厚生労働省|法人の役員である個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて(3/18)
個人事業主やフリーランスを法人役員とするケースについて、社会保険の被保険者資格の判断基準が明確化されました。実態のない役員や、報酬を上回る会費等を支払わせるケースなどは、被保険者として認められないことが示されています。
🔎今週の視点
今回の通知は、いわゆる「名目上の役員化」による社会保険料負担の軽減を狙ったスキームへの対応ともいえそうです。役員であることだけではなく、実際に経営に関与しているか、報酬が業務の対価として支払われているかが重視されます。自社の役員体制や契約内容を一度見直してみる機会になるかもしれません。
出典:厚生労働省|法人の役員である個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて(3/18)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000190457_00024.html
日本商工会議所|「中小企業における最低賃金の影響に関する調査」の集計結果について ~2025年度の最低賃金引上げの「影響」や「負担感」は、地方において深刻な状況 近年の大幅引上げにより、都市部や正社員でも影響が拡大~(3/17)
最低賃金引上げの影響に関する調査結果が公表され、特に地方企業での負担感の強さや、都市部・正社員層にも影響が広がっている実態が示されました。
🔎今週の視点
最低賃金の引上げは、特にパート・アルバイトの賃金水準に直接影響しやすいテーマです。その結果、既存社員とのバランスが崩れ、賃金体系全体の見直しが必要になるケースも考えられます。単なる引上げ対応にとどまらず、全体設計を見直す視点も重要になってきているのではないでしょうか。
出典:日本商工会議所|「中小企業における最低賃金の影響に関する調査」の集計結果について ~2025年度の最低賃金引上げの「影響」や「負担感」は、地方において深刻な状況 近年の大幅引上げにより、都市部や正社員でも影響が拡大~(3/17)
https://www.jcci.or.jp/news/research/2026/0317150010.html
弁護士ドットコムニュース|「不機嫌ハラスメント」放置で賠償責任も? 企業が負う「フキハラ」対応義務とは (3/17)
いわゆる「不機嫌ハラスメント(フキハラ)」について、企業が放置した場合の法的リスクや対応義務が解説されています。
🔎今週の視点
ハラスメントの範囲は年々広がっており、「明確な暴言や行為がないから問題ない」とは言い切れない場面が増えています。不機嫌な態度が周囲に与える影響にも目を向け、日常のコミュニケーションを見直すきっかけになれば良いですね。
出典:弁護士ドットコムニュース|「不機嫌ハラスメント」放置で賠償責任も? 企業が負う「フキハラ」対応義務とは (3/17)
https://www.bengo4.com/c_5/n_20127/
ITmedia ビジネスオンライン|「外国人労働者=安く雇える」は大間違い 注意したい“グレーゾーン”な働き方(3/19)
外国人労働者の増加を背景に、労務管理上の注意点や誤解されやすいポイントについて解説されています。安価な労働力と捉える考え方への警鐘も示されています。
🔎今週の視点
人手不足対策として外国人労働者の活用が進む一方で、制度理解や適切な労務管理の重要性はより高まっています。十分な準備がないまま受け入れると、思わぬリスクにつながる可能性もあります。採用前の確認や社内体制の整備を丁寧に進めていくことが求められているのではないでしょうか。
出典:ITmedia ビジネスオンライン|「外国人労働者=安く雇える」は大間違い 注意したい“グレーゾーン”な働き方(3/19)
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2603/19/news014.html

