ニュースPickup 2026年5月9日を公開しました。

2026年5月9日

連休明けの「心のギア」の入れ方。新人とベテランで異なる五月病対策とは

ゴールデンウィークを挟み、ニュースPickupも2週間ぶりの更新となりました。
大型連休で心身ともにリフレッシュできたという声がある一方で、連休明けで「なんとなく気分が重い」「仕事のやる気が出ない」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。いわゆる「五月病」と呼ばれる状態です。

「五月病」は正式な医学用語ではなく、日本で広まった俗称です。
類似する症例としては、1961年にアメリカで、入学から1か月ほど経過した大学生に見られる無気力・無関心といった軽いうつ症状が報告されています。
日本では1960年代後半から1970年代頃、大学新入生の間で見られた無気力状態を指して使われ始めたとされます。現在の医学的な見かたとしては、適応障害や抑うつ状態に近い状態と考えられています。

この時期に不調が表面化する背景には、4月の環境変化による緊張の反動があります。加えて、ゴールデンウィークで一度緩んだ心身を、もう一度業務モードへと戻していく、いわば「ギアを入れ直す」ような負荷がかかる時期である点も見逃せません。
こうした「五月病」は、私たちが想像する以上に深刻な影響を及ぼしています。最新の調査(マイナビ調べ)によると、全国の正社員の約5人に1人が五月病を経験しており、さらにその約2割が「五月病をきっかけに転職したことがある」と回答しています。つまり、部下が5人いれば、そのうち1人は五月病が原因で職場を去るリスクを抱えているということです。

こうした状態が続くと、遅刻や欠勤の増加を経て、最悪は退職に至るケースも見られます。
最近では退職代行サービスの普及により、会社と直接対話することなく、スマホひとつで退職できる環境が整っています。心身が弱っている時期は判断力が低下しやすいため、本来であれば「少し休めば回復する」はずの不調が、勢いによる「倍速退社」へと直結してしまう危うさがあるのです。

こうした事態を防ぐため、組織には層に応じたきめ細やかな対策が求められます。

新人・若手層へのアプローチ:
まずは「期待しすぎない、させすぎない」ことが肝要です。「連休明けなんだから心機一転、全力で!」というポジティブな激励が、逆に本人を追い詰めるケースもあります。「今の時期は誰でも出力が落ちるものだ」という安心感を与え、業務のハードルを一時的に下げるなどの調整を行いましょう。

中堅・ベテラン層への目配り:
彼らは「五月病なんて甘えだ」と自分を追い込みがちです。責任ある立場ゆえに孤立しやすく、五月病をこじらせて重度のメンタル不調に陥るリスクもあります。周囲が役割の重さを労い、適度な休息を促す文化が必要です。

五月病は、決して個人の根性の問題ではありません。連休明けのこの時期を「ギアをゆっくりと入れ直す期間」と捉え、会社全体でセーフティネットを張ることが、結果として持続可能なチーム作りへと繋がります。

心身のコンディションを整えつつ、また一歩ずつ歩みを進めていきましょう。

参考:マイナビ|【正社員2万人に聞いた】GW休暇と五月病に関する調査2026年
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260423_109832/

それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!


厚生労働省|人事労務マガジン定例第187号(5/6)

仕事と育児・介護との両立支援セミナーの案内や、社内規定見直しに関する無料支援、職種能力検定の新規認定、働き方改革推進支援助成金の受付開始など、実務に役立つ情報が幅広く掲載されています。

🔎今週の視点
両立支援セミナーはオンラインで受講できるため、日程を合わせて視聴してみるのもよさそうです。また、支援策や助成金の案内も豊富に掲載されているため、一度目を通してみるだけでも参考になるのではないでしょうか。

出典:厚生労働省|人事労務マガジン定例第187号(5/6)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72914.html


明るい職場応援団(厚生労働省)|10月1日施行のカスハラと求職者セクハラの措置義務に関するQ&Aと、2026年4月24日付「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の施行について」等を掲載しました。(4/28)

カスタマーハラスメントや求職者に対するセクハラについて、10月施行の措置義務に関するQ&Aが公開されました。あわせて男女雇用機会均等法の施行に関する通知も掲載されています。

🔎今週の視点
カスハラ対応は「従業員を守る義務」として位置づけが強まっていますが、会社としてどこまで具体的な対応が必要なのか、実感がわきにくい面もあるのではないでしょうか。一度Q&Aに目を通してみると、具体的な対応策を検討する上でのヒントになりそうです。

出典:明るい職場応援団(厚生労働省)|10月1日施行のカスハラと求職者セクハラの措置義務に関するQ&Aと、2026年4月24日付「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の施行について」等を掲載しました。(4/28)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html


日本年金機構|労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて(5/1)

被扶養者認定における年間収入の判断について、労働条件通知書等に基づく見込収入で判断する取扱いが明確化されました。一定条件を満たす場合、原則として被扶養者に該当するものとされます。

🔎今週の視点
以前から話題に上がっていた社会保険扶養の認定の取り扱いについて、日本年金機構より正式なアナウンスがありました。今回の改訂でかなり基準が明確になりましたので、従業員への周知とともに、対応への準備を進めておくことをお勧めします。

出典:日本年金機構|労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて(5/1)
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/jigyosho/2026/202605/0501.html


弁護士ドットコムニュース|「ご主人が痴漢で逮捕されました」警察から突然の電話、連休中でも家族は会える?(5/7)

連休中に家族が逮捕された場合の面会可否や対応について、元検事の弁護士が解説しています。突発的な事態における家族の対応の流れが紹介されています。

🔎今週の視点
一見労務と関係が薄いように見えますが、従業員やその家族に突発的なトラブルが発生するケースはゼロではありません。就業規則上の対応や、会社としての初動のスタンスをどこまで定めておくかは、意外と盲点になりやすい部分ではないでしょうか。リスク管理の一環として考えてみる余地はありそうです。

出典:弁護士ドットコムニュース|「ご主人が痴漢で逮捕されました」警察から突然の電話、連休中でも家族は会える?(5/7)
https://bbs.bengo4.com/topics/c_1009/n_20312/


ITmedia ビジネスオンライン|退職一時金を「廃止」する会社は増えるのか 優秀人材が逃げる給与シフトの成否(5/7)

大手企業が退職一時金の廃止を発表し、報酬制度の見直しが議論されています。給与へのシフトが進む中で、人材確保や流出への影響が注目されています。

🔎今週の視点
終身雇用が揺らぐ中で、退職金制度は「会社の人材戦略のスタンス」を示すものともいえそうです。短期的な合理性だけでなく、長期的な定着や従業員の納得感をどのように設計するかが問われているのではないでしょうか。

出典:ITmedia ビジネスオンライン|退職一時金を「廃止」する会社は増えるのか 優秀人材が逃げる給与シフトの成否(5/7)
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2605/07/news007.html