ニュースPickup 2026年7月4日を公開しました。

2026年7月4日

「優しさ」が成長を妨げる? 今考えたい「ホワイトハラスメント」

「ホワイトハラスメント(ホワハラ)」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

近年、パワーハラスメントへの社会的な関心が高まり、職場では「厳しく言い過ぎてはいけない」という意識が浸透してきました。その一方で、部下への配慮が行き過ぎた結果、責任ある仕事を任せなかったり、改善すべき点をあえて伝えなかったりして、成長の機会を奪ってしまうことが「ホワイトハラスメント」として注目されています。

こうした状況が生まれる背景には、パワハラを必要以上に恐れるあまり、指導そのものを避けようとする意識があるのかもしれません。「注意したらハラスメントと思われるのではないか」と考え、必要な指導までためらってしまう管理職は決して少なくないでしょう。しかし、部下の立場からすれば、「できていないことはきちんと教えてほしい」「改善できるように具体的に指導してほしい」と感じている人も多いのではないでしょうか。問題なのは、指導そのものではなく、相手が納得できる伝え方になっているかどうかではないでしょうか。

パワハラか、ホワイトハラスメントか――その線引きを一律に決めることはできません。しかし、その境界を左右する大きな要素の一つは、日頃から上司と部下の間に信頼関係が築かれているかどうかではないでしょうか。期待しているからこその指導だと分かり合える関係であれば、多少厳しい言葉も前向きに受け止められます。一方で、信頼関係がなければ、同じ言葉でも威圧的に感じられたり、逆に何も言われないことが「期待されていない」と受け取られたりすることもあります。

大切なのは、「叱るか、叱らないか」ではなく、「相手の成長を願って対話できているか」。ハラスメントを恐れて指導を避けるのでも、厳しさだけを押し付けるのでもなく、相手と向き合いながら信頼関係を築いていくことが、これからの職場にはますます求められていきそうです。

出典:ITmedia ビジネスオンライン|どこまでが配慮で、どこからが“過保護”なのか ホワハラが生まれる職場の境界線(2026/7/2)https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2607/02/news107.html

それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!


厚生労働省|人事労務マガジン定例第189号(7/1)

厚生労働省は「人事労務マガジン第189号」を公表しました。改正労働施策総合推進法等に関する説明会をはじめ、年次有給休暇の取得促進、育児・介護との両立支援セミナー、社会保険労務士等による無料の個別支援、採用支援セミナーなど、中小企業向けのさまざまな支援制度を紹介しています。

🔎 今週の視点

マガジンを読んでみると、ルールの改正に伴う説明会や伴走支援など、かなりきめ細かなフォローを受けられることに改めて気付かされます。「法改正だから対応する」だけでなく、「働きやすい職場づくりのきっかけ」と捉えることで、支援制度もより有効に活用できると思います。

出典:厚生労働省|人事労務マガジン定例第189号(2026/7/1)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74181.html


厚生労働省|令和7(2025)年労使間の交渉等に関する実態調査 結果の概況(6/30)

厚生労働省は、令和7年「労使間の交渉等に関する実態調査」の結果を公表しました。労使関係を「安定的」と認識している労働組合は90.9%と前回調査とほぼ同水準でした。一方で、パートタイム労働者や有期契約労働者に組合加入資格がある割合は約4割、派遣労働者では4.8%にとどまるなど、多様な働き方への対応状況もうかがえる結果となりました。

🔎 今週の視点

調査結果からは、概ねこれまでと大きな変化がなく、「労使関係は安定している」ように見えます。
労使間の交渉内容では、賃金や退職金、労働時間や休日に関する事項が上位に来ていますが、福利厚生に関する事項も上位に挙がっており、賃金や労働時間だけでなく、働きやすさへの関心も高いことが伺えます。
中小企業では労働組合がない会社も珍しくありませんが、その分経営者や管理職が現場の声を丁寧に聞くことが重要になります。定期面談だけでなく、日頃の何気ない会話の積み重ねが、小さな不満や不安を早めに拾い上げ、結果として働きやすい職場づくりや離職防止につながるのではないでしょうか。

出典:厚生労働省|令和7(2025)年労使間の交渉等に関する実態調査 結果の概況(2026/6/30)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/18-r07gaiyou.html


全国健康保険協会|2025(令和7)年度協会けんぽの決算見込みについて(7/3)

全国健康保険協会は2025年度決算見込みを公表しました。保険料収入の増加などにより、単年度収支は6,795億円の黒字となる見込みです。一方で、加入者一人当たり医療給付費は前年度比3.5%増加し、後期高齢者支援金も過去最高額となるなど、医療費の伸びは続いています。準備金残高は約6.5兆円となる見込みです。

🔎 今週の視点

「黒字」とはいえ、その背景には賃金の上昇による保険料収入の増加があります。一方で、医療費や高齢者医療への拠出金は着実に増え続けており、協会けんぽの財政は決して楽観できる状況ではありません。今後の財政状況によっては、将来の保険料率にも影響する可能性があります。今すぐ心配する必要はありませんが、「黒字」という結果だけで安心せず、その背景も理解しておきたいニュースです。

出典:全国健康保険協会|2025(令和7)年度協会けんぽの決算見込みについて(2026/7/3)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/news/r08_jul/4922.html


東京商工リサーチ|「雇用調整助成金」等の不正受給 累計1,973件に 倒産発生率は7.3%で通常の26.3倍(6/29)

東京商工リサーチは、雇用調整助成金などの不正受給が公表された企業は累計1,973件となり、そのうち倒産した企業は145件、倒産発生率は7.3%と一般企業の約26.3倍に上るとの調査結果を公表しました。不正受給額の返還だけでなく、公表後の経営への影響も浮き彫りになっています。

🔎 今週の視点

助成金の不正受給は、「返還すれば終わり」という問題ではありません。企業名が公表されることで、取引先や金融機関、求職者からの信用を失い、その後の事業継続に大きな影響を及ぼす可能性があります。一方で、助成金制度は年々複雑になっており、悪意がなくても解釈を誤るリスクもあります。制度を正しく理解し、不明点は専門家へ確認しながら進めることが、結果として企業を守ることにつながるのだと思います。

出典:東京商工リサーチ|「雇用調整助成金」等の不正受給 累計1,973件に 倒産発生率は7.3%で通常の26.3倍(2026/6/29)
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202990_1527.html


弁護士ドットコムニュース|直前キャンセルで「賃金ゼロ」、“タイミーさん”集団訴訟、初弁論で「タイミー」側は全面的に争う姿勢(7/2)

スポットワークサービス「タイミー」で成立した仕事を雇用主の都合で直前にキャンセルされ、賃金が支払われなかったとして、ワーカー9人が運営会社に未払い賃金相当額など約312万円の支払いを求める集団訴訟の第1回口頭弁論が開かれました。タイミー側は請求を全面的に争う姿勢を示しています。

🔎 今週の視点

今回の裁判で問われるのは、未払い賃金だけではありません。スポットワークという新しい働き方において、プラットフォーム事業者や利用する企業がどこまで責任を負うのかという点も大きな論点になりそうです。スポットワークは人手不足を補う有効な手段ですが、「短時間・単発だから雇用責任も軽くなる」というわけではありません。契約内容やキャンセル時の対応を改めて確認し、トラブルを未然に防ぐよう心掛けたいですね。

出典:弁護士ドットコムニュース|直前キャンセルで「賃金ゼロ」、“タイミーさん”集団訴訟、初弁論で「タイミー」側は全面的に争う姿勢(2026/7/2)
https://www.bengo4.com/c_5/n_20598/