障害者雇用状況報告 提出前に確認したいポイント
先週に引き続き、今週は「障害者雇用状況報告」について押さえるべきポイントを共有しましょう。
障害者雇用状況報告は、常用雇用労働者数が40.0人以上の事業主に提出義務があり、毎年6月1日現在の障がい者雇用の状況をハローワークへ報告するものです。障がい者を雇用していない場合でも報告義務があり、複数の事業所がある場合は本社で取りまとめて提出します。電子申請も利用できますので、早めに準備を進めておきたいですね。
提出前に押さえておきたいポイントがいくつかあります。
- 常用雇用労働者数の数え方は、高年齢者雇用状況等報告と異なる
障害者雇用状況報告では、週30時間以上の労働者に加え、週20時間以上30時間未満の短時間労働者を0.5人として換算します。高年齢者雇用状況等報告の常用労働者数とは一致しない場合がありますので注意が必要です。 - 障がい者のカウント方法が区分によって異なる
障害者雇用状況報告では、重度障がい者や短時間労働者、特定短時間労働者(週10時間以上20時間未満)など、区分によってカウント方法が異なります。集計に迷いやすい部分でもありますので、記入要領や記入例を確認しながら進めていきたいですね。 - 除外率制度の見直しに注意
除外率とは、業種によって法定雇用率の計算対象となる労働者数を一定割合減らして計算できる制度です。近年は段階的な縮小が進められており、前回の報告書を参考に作成する場合は、最新の除外率になっているか確認しておきましょう。 - 障がい者の把握はプライバシーへの配慮が必要
報告書作成のために障がいの有無を確認する際は、本人の意思やプライバシーに十分配慮しながら、公的書類等に基づいて適切に把握・確認を行うことが求められています。 - 対象事業主の範囲にも注意
今年の報告では常用雇用労働者数40.0人以上の事業主が対象ですが、2026年7月からは法定雇用率が2.7%へ引き上げられる予定です。これに伴い、雇用義務の対象は37.5人以上の事業主へ拡大されるため、現在は対象外の企業も今後の対応を検討しておきたいですね。
出典:厚生労働省|障害者雇用状況報告記入要領等(令和8年報告版)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaisha-koyou_00002.html
厚生労働省|障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/001064502.pdf
合わせて読みたい
それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!
厚生労働省|人事労務マガジン特集第245号(6/8)
厚生労働省は「人事労務マガジン特集第245号」を公表しました。令和8年度エイジフレンドリー補助金の受付開始や、労働者協同組合をテーマとしたオンラインセミナーの案内などが掲載されています。エイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者の労働災害防止に向けた設備改善や職場環境整備等を支援する制度です。
🔎今週の視点
令和8年4月から適用される「高年齢者の労働災害防止のための指針」に対応する補助金のニュースが掲載されています。
人手不足が続く中、高年齢者の活躍を期待する企業は増えている一方で、高年齢労働者特有の労災対策も必要ですね。
まずは専門家によるリスクアセスメントを受け、具体的な対策を検討してみるのも一案ですね。
出典:厚生労働省|人事労務マガジン特集第245号(6/8)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73723.html
多様な働き方の実現応援サイト(厚生労働省)|多様な正社員制度の取組事例集(パンフレット)を2026年3月版に更新しました。(6/10)
厚生労働省は、多様な正社員制度の取組事例集を2026年3月版へ更新しました。勤務地限定正社員や職務限定正社員、短時間正社員などの導入事例が紹介されており、多様な働き方を実現するための参考資料として活用できます。
🔎今週の視点
人手不足が続く中、多様な正社員制度は人材確保の選択肢を広げる手段の一つになりそうです。勤務地限定正社員や短時間正社員などを活用することで、育児や介護など様々な事情を抱える人材も採用しやすくなります。また、正社員と非正規社員との均等待遇・均衡待遇への対応を考える際のヒントにもなりそうですね。事例集を参考に、自社で活用できる制度がないか検討してみてはいかがでしょうか。
出典:多様な働き方の実現応援サイト(厚生労働省)|多様な正社員制度の取組事例集(パンフレット)を2026年3月版に更新しました。(6/10)
https://part-tanjikan.mhlw.go.jp/tayou/
日本商工会議所|「中小企業の賃上げ・賃金改定に関する調査」 の集計結果について(6/8)
日本商工会議所の調査によると、「2026年4月に賃上げを実施済」と回答した企業は39.2%、「2026年5月以降に実施予定」は32.2%となり、合わせて7割を超える企業が賃上げに取り組む見込みとなりました。一方で、小規模企業では約3割が「現時点では未定」と回答しています。
🔎今週の視点
会社の規模による賃上げ状況の違いがよく分かる資料です。企業規模が小さくなるほど賃上げの実施率が低くなっており、価格転嫁や収益確保の難しさが影響しているのかもしれません。業種別の賃上げ状況や賞与の動向も掲載されていますので、同業他社の動向を把握する資料として参考にしてみてはいかがでしょうか。
出典:日本商工会議所|「中小企業の賃上げ・賃金改定に関する調査」 の集計結果について(6/8)
https://www.jcci.or.jp/news/research/2026/0608113015.html
中小企業庁|令和7年度における取適法およびフリーランス法に基づく取組(6/10)
中小企業庁は、取適法およびフリーランス法に基づく令和7年度の取組状況を公表しました。中小受託事業者や特定受託事業者の利益保護と取引適正化を図るため、公正取引委員会など関係機関と連携しながら厳正に法執行を行う方針を示しています。
🔎今週の視点
フリーランス法施行後、発注事業者には契約内容の明示や報酬支払期限の管理などが求められています。副業人材や業務委託を活用する企業も増えていますが、「相手が個人だから簡単な依頼で大丈夫」と考えるのは危険かもしれません。業務委託契約の運用状況を一度見直してみる良い機会になりそうですね。
出典:中小企業庁|令和7年度における取適法およびフリーランス法に基づく取組(6/10)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2026/260610001.html
弁護士ドットコムニュース|「自家用車を使ってください」が当たり前? “マイカー業務”に困惑した女性、保険や事故責任はどうなる(6/7)
会社が従業員の自家用車を業務に利用させる、いわゆる「マイカー業務」について、保険や事故発生時の責任関係などの法的論点を弁護士が解説しています。業務上の移動手段としてマイカーを利用する企業にとって参考となる内容です。
🔎今週の視点
営業や訪問業務などで従業員の自家用車を利用している企業は少なくありません。しかし、事故が発生した場合には労災や使用者責任、任意保険の適用範囲など、さまざまな問題が生じる可能性があります。マイカー利用を認めている場合は、規程の整備や保険加入状況の確認を行っておきたいですね。
出典:弁護士ドットコムニュース|「自家用車を使ってください」が当たり前? “マイカー業務”に困惑した女性、保険や事故責任はどうなる(6/7)
https://www.bengo4.com/c_5/n_20480/

