骨太の方針2026 人事労務に関わるポイントを読み解く
政府は7月21日、「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針2026)」を閣議決定しました。骨太の方針は、翌年度の予算編成や各省庁の政策の方向性を示すものであり、今後の法改正や制度改正にも影響を与える重要な文書です。
今年の骨太の方針には、「賃上げ」「AI・DX」「リスキリング」「社会保障改革」など、人事・労務に関わるキーワードが数多く登場します。
一つひとつは別々の政策のように見えますが、全体を通して読むと、人口減少や働き手不足が進む時代に、企業や社会がどう対応していくかという共通の方向性が見えてきます。
その中でも特に目を引いたのが、中小企業の「稼ぐ力」の強化です。政府は、価格転嫁の促進やAI・DXの活用、生産性向上への投資、人材育成などを通じて企業の収益力を高め、「稼ぐ力」の強化と賃上げの好循環を目指す考え方を打ち出しました。
さらに、社会保障分野では、「年齢にかかわらず能力に応じて公平に負担する」との考え方のもと、医療・介護制度改革を進めることで、現役世代の社会保険料率の上昇を止め、将来的な引下げを目指す方針も示されています。どのような制度改革につながっていくのか、今後の議論を見守る必要があるでしょう。
骨太の方針は、すぐに法律や制度が変わるものではありません。しかし、これからの人事労務を考えるうえで、その方向性を知るためにも、一度目を通しておきたい内容と言えるのではないでしょうか。
出典:内閣府|経済財政運営と改革の基本方針2026
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2026/decision0721.html
それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!
厚生労働省|世界メンタルヘルスデー JAPAN 2026 特設サイト(7/17)
10月10日の「世界メンタルヘルスデー」に向けた特設サイトが公開されました。メンタルヘルスに関する基礎知識やイベント情報、企業・団体向けの取組などが今後拡充されていく予定です。
🔎今週の視点:
メンタルヘルス対策の必要性は感じていても、企業としてどうすれば良いのか、なかなか具体的なアクションが見えづらいのも事実です。
管理職向けの研修や相談体制の整備など、今後公開される情報も参考にしながら、できることから見直してみるのも良いですね。
出典:厚生労働省|世界メンタルヘルスデー JAPAN 2026 特設サイト(2026/7/17)
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/mental_health_day/index.html
厚生労働省|令和8年度中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(第4回)資料(7/23)
中央最低賃金審議会小委員会の第4回資料が公表されました。資料には、日本成長戦略や骨太の方針2026など、最低賃金の議論に関連する政府方針が整理されており、今後の審議の参考資料となっています。
🔎今週の視点:
今回の資料で興味深かったのは、最低賃金そのものではなく、参考資料として「骨太の方針2026」や「日本成長戦略」が示されていた点です。最低賃金の目安はそもそも審議会が議論して決めるものですが、政府全体の政策を意識した上での議論が求められているとも受け取れますね。
出典:厚生労働省|令和8年度中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(第4回)資料(2026/7/23)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74828.html
多様な働き方の実現応援サイト(厚生労働省)|PDF「職場での待遇に疑問を感じたら、労働局にご相談を~チェックシートを使って確認しましょう~」を更新しました。(7/24)
パート・有期雇用労働者などが、自身の待遇について確認できるチェックシートが更新されました。不合理な待遇差がないかを確認するための内容となっており、労働局への相談案内も掲載されています。
🔎今週の視点:
ここで提示されているものはパートタイム、アルバイト、契約社員で働かれている方を対象としているますが、企業側としてもこのチェックリストを使い、会社としての対応を再度確認してはいかがでしょうか。
出典:多様な働き方の実現応援サイト(厚生労働省)|PDF「職場での待遇に疑問を感じたら、労働局にご相談を~チェックシートを使って確認しましょう~」を更新しました。(2026/7/24)
https://part-tanjikan.mhlw.go.jp/reform/pdf/worker_checksheet.pdf?20260722
日本年金機構|「日本年金機構からのお知らせ」令和8年7月号(7/21)
日本年金機構から7月号のお知らせが公開されました。算定基礎届や標準報酬月額の通知、公金受取口座に関する案内など、事業主や年金受給者向けの各種情報が掲載されています。
🔎今週の視点:
算定基礎届を提出した後は、決定した標準報酬月額を従業員へ適切に通知することも重要です。9月からの社会保険料にも影響するため、決定通知書の内容を従業員へ確実に伝えることも忘れないようにしたいですね。
出典:日本年金機構|「日本年金機構からのお知らせ」令和8年7月号(2026/7/21)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/info/oshirase/20140627.html
弁護士ドットコムニュース|なぜ大阪大は「準委任契約」? 雇い止めされた非常勤講師、20年の闘いは最高裁の判断へ(7/22)
大阪大学の非常勤講師が「準委任契約」とされ、無期転換が認められなかったことを巡る訴訟が最高裁で審理される見通しとなりました。契約の性質や労働者性が争点となっています。
🔎今週の視点:
「準委任契約だから労働者ではない」と単純には判断できないケースもあります。契約書の名称だけでなく、実際の指揮命令や働き方の実態が重視される場面は少なくありません。労働者性の判断基準の一つとして、重要な判例となる可能性がありそうです。
出典:弁護士ドットコムニュース|なぜ大阪大は「準委任契約」? 雇い止めされた非常勤講師、20年の闘いは最高裁の判断へ(2026/7/22)
https://www.bengo4.com/c_5/n_20676/
ITmedia ビジネスオンライン|「いっそ全員出社にしてください」 出社とテレワークの“不公平感”はなぜ生まれるのか(7/22)
出社とテレワークが混在する職場で生じる「不公平感」をテーマに、働き方の違いによる受け止め方や、企業が抱える課題について紹介しています。
🔎今週の視点:
出社かテレワークかという二択ではなく、「なぜその働き方なのか」を社員が納得できるよう説明できるかが重要になってきます。
「公平と平等は、似ているようで全く違う。」この言葉の意味を改めて考えさせられる記事でした。
出典:ITmedia ビジネスオンライン|「いっそ全員出社にしてください」 出社とテレワークの“不公平感”はなぜ生まれるのか(2026/7/22)
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2607/22/news014.html

