最低賃金の議論が山場へ 労使双方の立場を踏まえた審議が続く
今年の最低賃金改定に向けた議論が山場を迎えています。先月、政府は全国平均1,500円という目標について、これまで掲げていた「2020年代」の達成時期を事実上見直す方向を示しました。その一方で、令和8年度の地域別最低賃金額改定に向けた審議は着実に進められており、7月17日に開催された中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(第3回)でも、今年の目安額について議論が行われました。
公表された資料では、食料品を中心に物価上昇が続き、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は2025年7月から2026年5月までの平均で前年同期比2.5%、食料は5.2%上昇しており、労働者の生活への影響が続いていることが示されています。 一方で、中小企業景況調査では業況判断DIが4期連続で低下し、仕入価格の販売価格への転嫁が追いつかない状況や、中東情勢を背景とした原材料価格の高騰を懸念する声が大幅に増えていることも紹介されています。
このように、最低賃金の引上げを求める根拠と、中小企業の経営負担を懸念する根拠の双方が示される中、小委員会では結論に至らず継続審議となりました。物価上昇や賃金動向などのデータは重要ですが、全国的な数字だけでは見えてこない地域や企業ごとの実情もあります。だからこそ、労使双方の主張にはそれぞれ理解できる点があり、目安額の取りまとめは容易ではないのでしょう。月内の目安額取りまとめに向け、今後の議論の行方が注目されます。
出典:厚生労働省|中央最低賃金審議会 (目安に関する小委員会)(7/17)https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-tingin_127941.html
厚生労働省|「経済財政運営と改革の基本方針2026(案) 」等について(7/14)https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001722515.pdf
それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!
厚生労働省|人事労務マガジン 特集第246号 「同一労働同一賃金」に関する改正省令・告示が公布されました(7/15)
厚生労働省は、「同一労働同一賃金」に関する改正省令・告示の公布にあわせ、派遣労働者の同一労働同一賃金をテーマとした無料オンラインセミナーを案内しています。施行5年後の見直しのポイントや、行政による指導監督を踏まえた実務対応などについて解説する予定です。
🔎 今週の視点
今回の記事では10月より施行される「同一労働同一賃金」に関する改正省令・告示のチェックポイントや、派遣労働者に対する同一労働同一賃金に関するセミナーの案内が記載されており、関係する企業にとっては見逃せない内容となっています。
出典:厚生労働省|人事労務マガジン 特集第246号 「同一労働同一賃金」に関する改正省令・告示が公布されました(2026/7/15)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74681.html
厚生労働省|労働基準法における「労働者」に関する研究会 第6回資料(7/17)
厚生労働省は、「労働基準法における『労働者』に関する研究会」の第6回資料を公表しました。今回は、プラットフォームワーカーの働き方や、労働基準法上の「労働者」に該当するかどうかなどをテーマに議論が行われています。
🔎 今週の視点
フードデリバリーなどのプラットフォームワーカーだけでなく、IT人材や専門職などにおいても業務委託を活用する働き方が広がる中、「労働者」と「個人事業主」の境界は今後ますます重要なテーマになりそうです。
今回の資料は新たなルールを示したものではありませんが、AIやアルゴリズムによる業務管理など、新しい働き方も視野に入れながら論点の整理が行われている点は注目されます。今後の制度改正の方向性を考える上でも、引き続き動向を見守っていきたいですね。
出典:厚生労働省|労働基準法における「労働者」に関する研究会 第6回資料(2026/7/17)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74075.html
愛知県|「若者職場定着シンポジウム」及び「若者職場定着モデル創出事業」の参加企業を募集します!~若手社員が辞めない職場づくりを支援します~(7/17)
愛知県は、「若者職場定着シンポジウム」と「若者職場定着モデル創出事業」の参加企業の募集を開始しました。フレックスタイム制やテレワークなど、多様で柔軟な働き方を活用した若手社員の定着事例を紹介するとともに、モデル企業への伴走支援も実施します。
🔎 今週の視点
人材不足が続く中、なんとか採用できてもなかなか定着しないと悩んでいる経営者の方もいらっしゃると思います。特に若手社員の定着に課題を感じている企業は、このようなイベントや支援事業を活用してみるのも一つの方法ではないでしょうか。
出典:愛知県|「若者職場定着シンポジウム」及び「若者職場定着モデル創出事業」の参加企業を募集します!~若手社員が辞めない職場づくりを支援します~(2026/7/17)
https://www.pref.aichi.jp/press-release/2026wakamono.html
ITmedia ビジネスオンライン|形骸化する障害者雇用、出社回帰、消えない男女格差……制度を変えても職場にはびこる「昔の価値観」(7/15)
働き方改革関連法の施行から7年が経過し、有給休暇の取得促進や残業時間の上限規制など制度面での整備は進みました。一方で、障害者雇用の形骸化や出社回帰、男女格差など、制度だけでは解決できない職場の課題について考察しています。
🔎 今週の視点
法改正や制度の整備は、働きやすい職場づくりの重要な土台です。しかし、それだけで職場風土や社員の意識まで変わるとは限りません。制度を導入した後に、現場で適切に運用されているか、管理職や社員に十分浸透しているかを定期的に振り返ることも大切です。制度と職場文化の両面から見直すことで、より実効性のある働き方改革につながるのではないでしょうか。
出典:ITmedia ビジネスオンライン|形骸化する障害者雇用、出社回帰、消えない男女格差……制度を変えても職場にはびこる「昔の価値観」(2026/7/15)
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2607/15/news012.html

