ニュースPickup 2026年10月10日を公開しました。

2026年9月19日

「勤務時間が短い正規型の労働者として使用される個人事業主等」の社会保険

今週、厚生労働省から「勤務時間が短い正規型の労働者として事業所に使用されている個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて」という長いタイトルの通知が出されました。最初このタイトルを見たとき、「正規型の労働者? 個人事業主??……。はて、これは一体何のことだろう?」と、正直首をひねりました。

通知の内容を読み返してみて、はたと膝を打ちました。今回の通知が問題にしているのは、企業が、個人事業主やフリーランスなどを「勤務時間が短い正規型の労働者」名目で雇用し、健康保険・厚生年金に加入させているようなケースです。
こうしたケースの中には、本人が受け取る報酬よりも多い額を「会費」などの名目で企業が徴収しているものがあります。これでは、そもそも本当に労働者として扱ってよいのか、という疑問が生じます。

今回の通知では、このような場合、原則として被保険者資格を認めないとしています。また、会費等が報酬を上回っていなくても、その額が報酬の多くを占めていることが常態化している場合などは、労働時間や業務内容などを含め、実際の就労状況を総合的に見て判断することとしています。
さらに、業務そのものについても、勤務時間が極端に短い場合や、単なる自己研さん、活動報告や情報共有などの形式的な業務、個人事業主同士の相互互助的な活動などにとどまっている場合には、実際に継続的な労務の提供をしているとは認められないことがあります。

つまり、今回の通知は、契約上「労働者」となっているかどうかだけを見るのではなく、報酬と業務の両面から、実際に事業所との間に常用的な使用関係があるのかを確認するものといえます。

こういうカラクリをよく考えつくものだな、と少し感心してしまいますが、結局のところ、雇用実態がどうなっているかが判断基準になるということですね。

出典:厚生労働省|勤務時間が短い正規型の労働者として事業所に使用されている個人事業主等に係る被保険者資格の取扱い等について(2026/09/14) https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_75927.html

それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!


厚生労働省|第211回労働政策審議会労働条件分科会(資料)(9/16)

第211回労働政策審議会労働条件分科会の資料が公表されました。今回の分科会では、資金移動業者の口座への賃金支払制度に加え、集団的労使コミュニケーションの在り方や年次有給休暇など、労働基準関係法制について議論されています。

🔎今週の視点:今回の議論にあたって膨大な量の資料が提供されています。特に過半数代表者については、選出方法や過半数代表者に対する不利益取扱などの議論に関するものが目につきました。また、労使で決めるべき点や根拠法令など非常に網羅的に資料がまとめられており、大変勉強になります。

出典:厚生労働省|第211回労働政策審議会労働条件分科会(資料)(2026/09/16) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76187.html


厚生労働省|人事労務マガジン特集第248号(9/16)

厚生労働省の「人事労務マガジン特集第248号」が公表されました。10月から開催される「働き方改革推進支援セミナー2026 秋」の案内のほか、建設業退職金共済制度における退職金額の増加、「第3回ろうきょうオンラインセミナー」などの情報が掲載されています。

🔎今週の視点:今回の中では、10月から始まる「働き方改革推進支援セミナー2026 秋」が目に留まりました。今年 4 月に改正された同一労働同一賃金ガイドラインが、10 月から適用されることに合わせて、具体的な事例を交えて情報収集ができるもののようですね。

出典:厚生労働省|人事労務マガジン特集第248号(2026/09/16) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76162.html


日本年金機構|「日本年金機構からのお知らせ」令和8年9月号(9/17)

日本年金機構から事業所向けの令和8年9月号のお知らせが公表されました。社会保険料の電子納付(Pay-easy)の案内、現物給与価額の改正に伴う月額変更届の取扱い、外国籍の方の資格取得時におけるローマ字氏名の確認などが掲載されています。

🔎今週の視点:今回の記事に「現物給与価額の改正」に関するものがあります。10月より住宅の現物給与の単価計算方法が変わるので、同じ住宅に住んでいても随時改定になる可能性がある点が示されています。 住宅の現物給与をしている企業は、抜けのないように注意が必要ですね。

出典:日本年金機構|「日本年金機構からのお知らせ」令和8年9月号(2026/09/17) https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/info/oshirase/20140627.html


日本年金機構|日本国籍を有しない方のフリガナ氏名の取り扱いについて(9/16)

日本年金機構は、日本国籍を有しない方のフリガナ氏名の取扱いについて案内を公表しました。社会保険の手続きなどにおいて、日本国籍を有しない方の氏名をどのように取り扱うかについての案内となっています。

🔎今週の視点:これまでは、資格取得届のフリガナ氏名などを住民基本台帳と突合して本人を特定していましたが、外国籍の方では文字数制限や読みの違いで、フリガナだけが一致しないケースがありました。10月1日以降は、その場合、ローマ字氏名届や添付書類の「アルファベット表記の氏名」が一致すれば本人確認ができたことにするとのことです。

出典:日本年金機構|日本国籍を有しない方のフリガナ氏名の取り扱いについて(2026/09/16) https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/jigyosho/2026/202609/0916.html


日本商工会議所|「事業承継に関する実態アンケート 調査結果」を公表(9/11)

日本商工会議所は、「事業承継に関する実態アンケート」の調査結果を公表しました。先代と現代表者、現代表者と後継者候補との関係はいずれも約8割が親族内と回答。一方、M&Aを実施・検討したことがある企業は18.5%で、2020年調査から3ポイント上昇しました。

🔎今週の視点:事業承継というと、最近はM&Aによる引継ぎがかなり増えているのかなと思っていました。ところが、今回の調査では約8割が親族への承継で、M&Aを実施・検討した企業は18.5%でした。M&Aが増えているとはいっても、まだまだ親族に引き継ぐ会社のほうが多いのですね。

出典:日本商工会議所|「事業承継に関する実態アンケート 調査結果」を公表(2026/09/11) https://www.jcci.or.jp/news/research/2026/0911140030.html