転職者実態調査から見る、10年間の変化
厚生労働省から、2025年の転職者実態調査の結果が公表されました。この調査は、転職した人の就業実態や意識などを把握するもので、今回は2020年以来、5年ぶりの調査となります。
調査の結果を見てみると、直前の勤務先を離職した理由は「自己都合」が81.3%と最も多く、自己都合による離職理由では「賃金が低かったから」が25.5%、「会社の将来に不安を感じたから」が25.2%、「満足のいく仕事内容でなかったから」が24.7%となっています。
一方、転職先を選んだ理由では、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が40.2%、「自分の技能・能力が活かせるから」が38.4%などとなっています。
こうした転職者の意識は、以前と比べてなにか変わったのでしょうか。
2015年、2020年、2025年の調査結果を比べてみました。
その結果、個々の数字には増減があるものの、転職理由や転職先を選ぶ際の考え方については、全体としてそれほど大きな変化は見られませんでした。
なお、2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大時期でもあり、調査結果にはコロナ禍の影響と思われるものも見られます。そのため、2020年の数字については、他の年度と単純に比較するのは危険です。
一方、過去の調査と比較して特に変化が目立つのが、転職活動の方法です。
2015年と2025年を比較すると、「ハローワーク等の公的機関」を利用した人は41.3%から29.6%へ11.7ポイント低下した一方、「求人情報専門誌・新聞・チラシ等」は2015年の24.2%から、2025年の「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」では45.1%と大幅に上昇しています。また、「民間の職業紹介機関」は19.0%から20.9%となりました。
調査項目の名称が変わっているため、数字をそのまま比較するのは注意が必要ですが、以前はハローワークや求人情報誌などが転職活動の主要な手段でしたが、現在では求人サイトや民間の職業紹介サービスなど、インターネットを介して仕事を探す方法も含め幅広く利用されていることがわかります。
今回の調査結果を過去と比較してみると、転職者の意識そのものよりも、転職活動を取り巻く環境や、その方法が変化してきたことが見えてきます。
出典:厚生労働省|令和7「転職者実態調査」の結果を公表します(2026/9/25)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/6-18c-r07.html
それでは今週のニュースPickupをどうぞ!!
厚生労働省|WEBマガジン「厚生労働」(大成建設に学ぶ「制度を使える職場」づくり)(9/24)
厚生労働省のWebマガジンで、仕事と育児・介護を両立できる職場づくりについて、大成建設の取組を紹介しています。育児・介護休業などの制度を整えるだけでなく、制度を利用しやすい職場風土や、業務を周囲でカバーできる体制づくりなどについて取り上げています。
🔎今週の視点:
この記事を読んでまず気になったのが、「人財いきいき推進室」という部署名です。大成建設のような大手企業でも、育児や介護の制度を担当する部署が、こうした名前を掲げているのは興味深いと感じました。
また、介護休暇についての「『言い出せない』をどう減らすか」という言葉も印象に残りました。制度を作るだけでなく、普段から相談しやすい雰囲気を作ることが大切なのだと思います。
出典:厚生労働省|WEBマガジン「厚生労働」(大成建設に学ぶ「制度を使える職場」づくり)(2026/9/24)
https://www.mhlw.go.jp/web_magazine/feature/20260924.html
総務省|健康保険及び厚生年金保険の育児休業による保険料免除の見直しについて-行政改善推進会議の意見を踏まえたあっせん-(9/17)
総務省は、健康保険・厚生年金保険の育児休業による保険料免除について、「同居の親族のみを雇う事業」に雇用される被保険者が育児休業を取得した場合も、他の被保険者と同様に保険料免除の対象とすることを厚生労働省に検討するようにあっせんしました。
🔎今週の視点:
育児休業を取得した場合の社会保険料免除について、事業所の形態によって取扱いが異なることについて、見直しを求めるものです。今回のあっせんですぐに制度が変わるというものではありませんが、対象となる事業者にとっては、今後の厚生労働省の対応を確認しておきたいところです。
出典:総務省|健康保険及び厚生年金保険の育児休業による保険料免除の見直しについて-行政改善推進会議の意見を踏まえたあっせん-(2026/9/17)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/hyouka_260917000192517.html
国税庁|年末調整がよくわかるページ(令和8年分)(9/25)
国税庁が、令和8年分の年末調整に関する情報を公開しました。今回の年末調整では、基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族等の所得要件の改正などが行われています。また、23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例も設けられています。
🔎今週の視点:
今年の年末調整は、いくつか重要な変更があります。早めにページの内容を確認しておくことをお勧めします。
出典:国税庁|年末調整がよくわかるページ(令和8年分)(2026/9/25)
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index.htm
日本商工会議所|(厚生労働省)健康保険組合への各種届出におけるe-Gov電子申請開始のご案内(9/18)
健康保険組合に加入している事業所について、2026年11月から、健康保険組合への各種届出をe-Govを利用して電子申請できるようになるという案内です。年金や雇用保険などと同様に電子申請による手続きが可能となり、e-Govを活用したワンストップ化も図られます。
🔎今週の視点:
社会保険の電子申請というと、すでに利用している会社も多いと思いますが、今回の対象は健康保険組合です。これまで健康保険組合への手続きを別の方法で行っていた事業所にとっては、対象となる届出をe-Govから申請できるようになることで、手続きの効率化が期待できそうですね。
出典:日本商工会議所|(厚生労働省)健康保険組合への各種届出におけるe-Gov電子申請開始のご案内(2026/9/18)
https://www.jcci.or.jp/news/trend/2026/0918211648.html
ITmedia ビジネスオンライン|「採用したが、期待外れだった」社員 試用期間の終了時に本採用を拒否できる?(9/24)
3カ月の試用期間を設けて採用した社員について、業務を期限までに終えられない、コミュニケーションに問題があるなど、期待した能力や適性を満たさない場合に、本採用を拒否できるのかを解説しています。
🔎今週の視点:
「試用期間だから、合わなければ本採用しなければいい」と安易に考えている会社もあるかも知れませんが、試用期間があるからといって、試用期間終了時に勝手に契約を打ち切れるわけではありません。特に「仕事ができない」「コミュニケーションが悪い」といった抽象的な評価だけではなく、どの仕事でどのような問題があり、会社がどんな指導をしたのかを具体的に残しておくことが重要です。採用時点で求める能力や仕事内容をできるだけ明確にしておくことも、後々のトラブルを防ぐことにつながりそうです。
出典:ITmedia ビジネスオンライン|「採用したが、期待外れだった」社員 試用期間の終了時に本採用を拒否できる?(2026/9/24)
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2609/24/news014.html

